剣道はスポーツか?

剣道はスポーツか?

と問われるならば、剣道に競技性が多分に含まれている以上は「剣道はスポーツではない」「剣道はスポーツとは異なる」とは言えず、「剣道はスポーツとイコールではない」というのが妥当な回答だと私は思ってます。

商売柄、ベン図で表しますと以下のような感じかと。

剣道とは?

剣道とは?

上図のように、徳育・知育・体育・スポーツのそれぞれにバランスよく立脚してこそ剣道の魅力は保たれ、いずれかに偏れば剣道の魅力は損なわれると私は思うのです。

その是否はともかく、白でなければ黒、黒でなければ白といった、デジタルな価値判断ばかりが披雇する現代ですので、(どこまで本気か分かりませんけど)スポーツ立国を目指すという日本において、原理主義的に「剣道はスポーツではない」と述べることの不利益は、アタマの片隅に置いて意識したいところです。


また、諸外国に目を向けますと、剣道=スポーツとしているからこそ活動できているという現状もあります。

剣道がIOC(国際オリンピック委員会)の下部組織であるSportAccord(旧GAISF)に加盟していなかった時代、諸外国の行政ではそれを理由に「スポーツとして後援できない」とされ、公共のスポーツ施設を稽古場所や大会会場として借りられなかったと聞き及びます。

そこを「いえいえ剣道はスポーツではござんせんよ。日本文化を学ぶのです。」などと言おうものなら活動拠点1つ得ることも、諸外国では至難の業となるでしょう。

とくに剣道の場合、その礼法・所作・徳育に神道・禅・儒教の影響が色濃く存在しますので、日本と比較にならないほど宗教が根付いている諸外国において、それを全面に押し出しては普及どころの話ではなくなります。下手すれば排斥されかねません。

ゆえに、スポーツとしての側面から剣道に入っていただいた後、体育⇒知育⇒徳育といった側面にも誘導する仕組みと仕掛けが、剣道の国際普及には必要なのではないか? と、愚考したりする今日この頃です。


はたして、来年5月の16WKCにてどのような主張がなされるのか?

剣道の宗家たる日本の剣士が描く理想と、諸外国の剣士の理想とを、うまくベクトル合わせできるような方策を前向きに考えるのに、16WKCが良い機会となることを祈ります。




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