審判資格制度が必要かと

全日本剣道選手権大会翌日ですが、WKC(世界剣道選手権大会)の話です。ゴメンナサイ。A^^;

剣道日本0号(復刊特別号)Vol.2が届き、ありがたく拝読したところです。
その中で心の琴線に触れたのは、WKCにおける審判に関する話題でした。

今年の9月に韓国で開催された17WKC=第17回世界剣道選手権大会は、日本代表が男子個人/女子個人/男子団体/女子団体の4部門全てを制したわけですけれども、とくに男子団体と男子個人における日韓戦については物議が醸されました。

剣道日本の誌面上では、その試合ぶりに嫌悪感を示し、日本代表に剣道発祥国の選手としての矜持を厳しく求める外部意見と、命懸けの真剣勝負の結果があの形になったのだと理解を示す編集部記事が掲載されておりましたが、件の日韓戦に関する評価は概ねこの2つに分かれるのだろうなぁと興味深く拝読した次第です。

この日韓戦につきましては私もYouTubeで確認しましたけれども、私としては編集部記事に近い感想を持ちました。

剣道の高度競技化および五輪競技化を目指す韓国と、剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道とする日本。両国がそれぞれに抱く剣道の将来像はあまりにも異なります。

そして、日本の国際交渉力の弱さゆえなのか、韓国のNFである大韓剣道会が「Korea Kumdo Associaion」と英語表記することや、FIK主催のWKCに韓国独特の腰板の無い袴を着用しての出場を許してます。

幸いにして、韓国以外の国・地域に「KUMDO」と英語表記するNFや、韓国選手の他に韓国袴を着用して出場する選手はおりませんけれども、この2点は他の国際競技ではありえない異常な状態です。

例えば柔道。
韓国では「YU-DO」と発音するそうですが、韓国のNFである大韓柔道会はその英語表記は「Korea Judo Associaion」としております。

また、競技における服装がある国だけ異なる例を五輪や各競技の世界大会で見たことがあるでしょうか?

つまるところ、韓国はKENDOの大会にKUMDOで参戦し、勝つことによってKUMDOの名を上げようとしているのですから、KENDOの第一人者たる日本がKENDOの大会でKUMDOの韓国に負けるわけにはいかず、試合が異常なまでに勝利に拘る形になってしまうのは必然と言えます。

逆に言えば、大韓剣道会の英語表記をKUMDOからKENDOに改めさせ、国際大会における韓国袴の着用を認めない規定を設けることができれば、日韓戦で勝利に拘らねばならない理由がグンと薄まるのです。

選手を批判する前に、全日本剣道連盟として国際剣道連盟(FIK)に働きかけるべきことが幾多もありますので、まずそれをやって頂きたいと強く願います。

あ、いかん。脱線が過ぎた。
お題の「審判資格制度が必要かと」に戻ります。 A^^;


冒頭に挙げた剣道日本0号Vol.2における2つの記事は、その視点と評価は異なるのですが、審判については同じ問題意識を示してました。

ともに主審の技量を問題視しておりましたが、さて、それはいかがなものかと思いました。

以前にも述べましたが、まず、1つの試合だけをピックアップして主審の指導力を問うことは難しいと思います。

WKCは剣道新興国、中堅国、日韓米の3強、それぞれの間に大きなレベル差が存在します。

私達一般社会人剣道家レベルの新興国、実業団レベルの中堅国、全日本レベルの日韓米、とでも例えれば伝わるでしょうか?

このような大きなレベル差を包括する大会は極めて特殊な事情を抱えてます。
そのことについては本年9月の記事で述べておりますのでリンク先をご参照ください。

それとは別に、審判資格制度が整備されていないことが問題ではないでしょうか?
柔道もそうですが、多くの国際競技は審判資格制度が整備運用されてます。

それに代わるものとして、剣道では段位称号を問われる場合が多いのですが、錬士、教士、あるいは範士の先生が審判技量に優れているのかと問うならば、失礼ながら、必ずしもそうとは言えないのです。

なぜかと言えば、段位審査で問われるのは主に実戦技量ですし、称号審査で問われるのは剣道に対する造詣の深さであり、いずれも審判に必要な技術、知識、経験の有無は問われないからです。

そう考えますと、武道という性格上、段位制度とリンクさせるなどの必要はあるでしょうが、やはり審判資格制度の整備と運用は必要だと思うのです。

審判資格制度によって初めて各審判員の技量を担保することができますし、資格の取得や更新に講習会の参加を義務付けることにより、審判技術の普及と集約も見込めることになるでしょう。

私の町のスポーツ少年団には剣道の他に7競技の単位団が存在しますが、少年部の試合に審判資格が問われないのは剣道だけです。
この状況で、個々の審判の技量を問うのはいかがなものか?と思うのです。




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