私刑には加担しません

日馬富士の件は、警察の捜査結果や相撲協会の危機管理委員会による調査結果が明らかとなるまで、黙って見守ることにしました。


日本は法治国家であるので、推定無罪、すなわち「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という近代法の基本原則が適用されるべきであるけれど、昔も今も報道は有罪推定であり、推定が幾重にも重ねられた結果の推論を基にしての私刑が始まるのですよね。

私刑=リンチと申しましても、誰かが直接に手を下すわけではありませんで、より厳罰を求める世論が醸成されることによって、処分を裁定する側がそれを過度に忖度し、結果として認定された事実に対してアンバランスな処分が下されてしまうことを「私刑」と言ってます。


多くの相撲ファンの記憶に残る…というよりはトラウマとして残っている大相撲八百長疑惑における力士の大量処分はその最たるものでありましょう。

大相撲における八百長疑惑なんてものは江戸の昔からあったわけですけれども、相撲に限らず、八百長は金銭の授受や便宜供与と勝敗が重なることで初めて確定されるものであり、取組の内容やその他の状況証拠では推論の域を出ないので、推定無罪の原則によりお咎めなしとする裁定であるべきでした。

しかしながら、若貴時代の終焉直後で人気低迷する中で、相撲部屋での暴行死亡事件、力士の大麻使用事件、力士による野球賭博事件といった不祥事が続く中での八百長疑惑報道によって、より厳罰を求める世論が醸成された結果、「生け贄を差し出しますのでどうかお許しを~」とばかりに杜撰な短期間調査で何十人もの力士を一斉処分したわけですよ。

その結果、おそらくは蒼国来だけではないであろう冤罪被害を生みました。
今件、これの二の舞だけは勘弁して頂きたい。

そのためにも、私刑は避けなければならないのですが、報道が先行してしまったため、すでに私刑は始まってしまいました。

大相撲ファンは、せめてそれに加担しないように、判断材料に足る真実が出揃うまでは黙って見守ることが最善策かと思います。

商売上、報道する側は無反応が最もツライので、彼らの自省を促すためにも黙殺あるのみです。


そんなことは私に言われなくても皆様お分かりのことなのですが、それでもなお私達が浮足立つのは、日本相撲協会から大相撲ファンに向けての直接の情報提供が未だに全く無いからです。

なんのための公式サイトなのか。なんのための公式Twitterなのか。

確定した事実を並べるだけでも多くのフェイクニュースが消え去るというのに、本場所中であることを理由に報道を通じて小出しにするばかりでは、日本相撲協会が日馬富士への私刑に加担しているようなものです。


日本相撲協会の組織としてのダメさ加減に呆れつつ、それでもこの件に関しては確定事実が揃うまで黙殺することにします。

せっかくの九州場所も集中できずに流し見するばかり。
今のままなら恒例の序盤・中盤・千秋楽後の総括記事も書けませんね。


Comments (2)

  1. shin2

    >>せっかくの九州場所も集中できずに流し見するばかり。
    これが一番困る。もしかしたら、相撲ファンも「私刑の被害者」かもしれない。

    Reply
  2. 甚之介 (Post author)

    shin2さん、コメントありがとうございます。m(_ _)m

    相撲ファンも被害者ですね。でも、加害者を兼ねてる方も相当おられるように思います。

    現状、貴乃花サイドと思われるスポニチ、貴乃花に懐疑的な日刊スポーツと朝日新聞、協会寄りのNHKといった具合のポジショントークしか出来ませんね。
     
    「捜査関係者によると…」の枕詞で流される警察からのリーク情報も、大概は観測気球的な意図のある飛ばし情報ですから鵜呑みにはできません。
     
    やはり、黙って見守るほかないのです。が、まだまだ土俵に集中できない私でございます。orz

    Reply

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