剣道の三審制は特殊?

柔道、相撲、空手、ボクシング、レスリング、フェンシング、…
思いつくままに格闘技系競技を挙げてみましたが、いずれも選手と同じ試合場の中に立つ審判は1名。剣道のように試合する2人の選手を3人の審判で囲み、それぞれの審判が動くという形態はお見受けしません。

例えば、柔道や空手の場合は試合場の隅の場外にて椅子に座った姿勢で判定する副審の存在が確認できます。
大相撲の場合も5人の勝負審判は土俵の下にて着座した姿勢で判定に臨みます。
ボクシングのポイント判定をする3人のジャッジも席に座って判定します。

これら試合者同士が直接にコンタクトする格闘技の場合はポジショニングの変化が頻繁かつ速いのに対し、剣道の場合は試合者双方が持つ竹刀の長さ分の距離が試合者間に生じるため、競技レベルが上がるほどポジショニング変化の頻度は下がり、横方向および回転方向の動きは巧妙化しつつも限定的なものになります。

それゆえに、剣道では三人の審判が試合する選手を囲むポジションを維持することが可能となり、試合者と同じ試合場内の三方向からの視点で判定することによって正確性を高めるというのは、理に適っているとも思うのです。

しかしながら、競技レベルが発展途上である少年剣道や中学・高校剣道では、ポジショニングの変化が頻繁かつ速く、三審で構成する二等辺三角形の枠内に選手を収めきれなかったり、選手の背中越しに有効打突判定をしてしまったりするケースが少なからず生じます。

また、常にベストポジションで判定すべく、他の2人の審判と協調して位置取りを調整し続けるのはなかなか難しいものであり、そちらに注意が向いてしまうことが、審判の最も大事な任務である判定に使うべき集中力の妨げにもなりかねません。

そう考えますと、他の格闘技系競技で見られる座っての審判、すなわち固定位置での審判というのは、全ての集中力を判定に注げるという点で優れている気がします。
実際、審判控え席で試合を追っているときの方がよく観えている場合もありますし。
※「観」であり「見」にあらず。ここ大事。

例えば、講道館柔道のように対角線延長上の隅の場外にパイプ椅子を置き、副審は座って審判をする。
必ずしもベストポジションを得られるわけではないという欠点を割り引いても、選手が無駄に動きがちな少年剣道や中学・高校剣道に限れば有効なのではないか?と思うのですが、いかがなものでしょうか?

や、主に少年剣道で審判を務める私が楽をしたいからじゃないっすよ。A^^;




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