平成28年名古屋場所総括

ほろ苦い名古屋場所でありました。

場所前からはっちゃけておりましたように、稀勢の里がこの名古屋場所を初優勝して横綱に昇進するものと信じておりました。
が、結果は皆さんご存知のとおり、12勝3敗、優勝した日馬富士と1差の準優勝に終わりました。

場所の全般を通して振り返りますと、立合の構えが異様なまでに低いことがまず目に付きました。その腰の前傾が保てるのであればいいのですが、立つと同時にフワッと浮き、前傾も緩むのですね。超の付く安定感を醸した前2場所は立合の構えは今場所ほどには低くなかったものの、腰の前傾は立った後も保ててました。
構えが低すぎるゆえに松鳳山の注文相撲を食ったのであり、前傾が緩むゆえの敗れた栃煌山戦や白鵬戦ほかの取口の乱れではないかと思ってます。

ただ、ここまで相撲内容を落としてもなお、12勝3敗という星勘定に納められるというのは、稀勢の里という力士の地力が底上げされたことの証でありましょう。

これで3場所連続の準優勝。充分に横綱格の成績であり、前2場所は内容も伴っておりましたから、私の個人的意見としては横綱に昇進させてよいと思っております。と、同時に、それを贔屓の私が言っても説得力の無いこと、世間がそれを認めないことは重々承知しております。

しかしながら言わせてもらうと、前にも書きましたが、幕内で2番目の成績を3場所連続で収めながら、ランキング=番付は第4位に留め置きだなんてのは、大相撲くらいなものですよ。3場所連続で稀勢の里よりも成績の奮わない鶴竜に引退勧告が為されない以上、稀勢の里の横綱昇進を退ける論理的な理由など無い、ということだけは述べておきます。

あ、もちろん、横綱という地位は皆が認める形で昇進させないと不幸になるということは分かっておりますので、来場所に優勝しての横綱昇進をと願ってます。


一旦切りながら未練がましく稀勢の里の話をしますと、やはり十日目の松鳳山戦が問題ですね。

Twitterでは既に述べましたが、2番前の相撲で白星の無かった琴勇輝が注文相撲で初日を出していたのです。

これを溜まりで観ていたはずの稀勢の里は「琴勇輝もとうとう気っ風の良い相撲も関脇のプライドもかなぐり捨てて変化するまでに追い込まれたか」「オレの相手の松鳳山も7敗で後が無い。気を付けなきゃな。」と思うのが(結果論ではなく)格闘者としてあるべき思考なのですが、そんな気配がまったく無しの稀勢の里は無警戒に突っ込んで叩き込まれたわけでして、やー、もー、思いっきり落胆したわけですけれども、ふと思いついたところがありまして。

あのですね。同じ一門の力士に立合で変化するってのは極めて稀なケースだったりしませんかね?
まー、一門と言っても深いお付き合いがある一門もあれば寄り合い所帯もあるわけですから一概には言えません。ただ、そんな不文律でも無い限り、いくら駆け引き下手の稀勢の里といえどもあの突進は解せないのです。
ちょっと時間が無いのでまたの機会に調べてみますけど、あの1敗が無ければ優勝同点でしたし、松鳳山だって終わってみれば5勝10敗、あんな相撲で男を下げなくとも良かったわけで、ホント誰得?な注文相撲でありました。


今場所の上位陣総崩れはヒドイの一言でしたね。

優勝した日馬富士とて金星を2つも配給してますし、白鵬も2つ、鶴竜も1つと、なかなかの金星ジャックポットな序盤・中盤でした。そして鶴竜は途中休場、白鵬は横綱昇進後自己ワーストの5敗。(や、これはスゴイことなのだけど)

大関陣はもっとひどく、琴奨菊が途中休場、豪栄道が千秋楽負け越し、照ノ富士が千秋楽勝ち越しと、メンドクサイから全員関脇に降格ね!と言いたくなるような散々な成績、そして相撲内容でした。おまけに三役も小結の高安以外は全員負け越し。うーん。

名古屋特有の暑さもあるのでしょうが、それ以上に立合の乱れが上位陣の波乱要因であるような気がします。

や、立合の乱れというよりは、立合判定の不統一ですね。
行司では立行司の式守伊之助と幕内格の木村晃之助、審判長では藤島親方と友綱親方が厳しい判定の両翼であるような気がします。(統計を取ってないのであくまでも印象)

かなり厳しく取り締まっているわりに、手付き不十分な立合もまだまだ散見し、白鵬などは不満を顔に表してましたが、同じ立合で止められたり成立したりするのでは、そりゃまぁ立合は不安定になるでしょうし、成績にも反映されることでしょう。

一方、比較的きれいな立合をする日馬富士、稀勢の里、高安、嘉風、宝富士、貴ノ岩といったあたりが星を伸ばしているあたり、力士側に問題があることも確かなのでしょうが。

たしか北の富士さんが言ってましたけど、一度、講習会をやらなければダメでしょうね。どこで判定するのか、なぜその判定基準なのかを公正明大に示さないと、力士側の不信感は消えません。

プロ野球のコリジョンルールも同じ病根を持ちますが、判定基準と選手側の理解に不均衡があると競技そのものに大きな支障が生じるのです。早急な対策を望みたいところです。


あ、すいません。長期休暇中ですが色々と予定が立て込んでおりまして、ここで切ります。A^^;

総括なのに稀勢の里の反省会に終わってしまいましたが、時間があれば高安のことを書きたいと思ってます。


Comments (2)

  1. shin2

    春場所夏場所名古屋場所3場所の成績は、
    (1)白鵬39勝6敗(14勝・15勝・10勝)
    (2)稀勢の里38勝7敗(13勝・13勝・12勝)
    (3)日馬富士32勝13敗(9勝・10勝・13勝)

    稀勢の里は白鵬と1勝差で、日馬富士を遥かに勝ち星で上回っている。
    だから稀勢の里を横綱に昇進させるのに何の支障もない。
    優勝していない?賜杯なんて単なるトロフィーですよ。
    エラい人にはソレがわからんのですよ。

    ひとのブログのコメント欄で暴論書き散らかして申し訳ないのですが、もうこれぐらいの屁理屈を構築しない限り、稀勢の里の綱取りは無理なんじゃないかと思います。

    Reply
    1. 甚之介 (Post author)

      shin2さん、コメントありがとうございます♪

      暴論だなんてそんな。まったく同意見です。
      でも、稀勢の里の綱取りは時間だけの問題だと思ってます。
      大関昇進のときもそうでしたが、周囲が期待するスピードの半分くらいの遅さで進むのでしょう(苦笑)

      Reply

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