初段・二段審査の切り返し

日曜日は剣道三段以下審査会@結城会場の係員としてお手伝いさせて頂きました。
主に立合を務めつつ審査を見る中、お粗末な切り返しが目立ちましたね。


なぜ、初段・二段の実技審査に切り返しが含まれるのかと申しますと、もちろん切り返しで技量も審査されるのですが、その前に、(全日本剣道連盟が定める形の)切り返しという稽古法と目的(期待される効果)を理解しているか否かを審査されると考えた方が良いと思います。

まず、稽古法としての切り返しですが、これは剣道指導要領(こちらで購入できます)にしっかりと明記されてますので(とくに指導者は)一度よくお読みになった方が良いでしょう。

また、目的=期待される効果は昔から「切り返し十徳」という形で示されてます。

  1. 刃すじが正しくなる。
  2. 手の内がしまり、打ち強くなる。
  3. 技が烈しく(はげしく)、速くなる。
  4. 技の癖がなくなる。
  5. 身体の備えが固くなる。
  6. 身体手足の力が強くなる。
  7. 身が軽く、身体自在になる。
  8. 打ち間が明らかになる。
  9. 息が長くなり、勇気が増す。
  10. 気剣体が一致する。

その切り返しが、上記目的を満たすことのできる切り返しなのですか?
と問われたとき、残念ながら半数はNOと言わざるえない切り返しでした。

それでも合格させてしまう審査する側にも問題があるとは思いますが、逆に言えば、剣道指導要領そのままの切り返しをすれば合格率が高まるので、指導者はもう一度よく剣道指導要領を読んで指導すべきでしょう。

剣道大会などで開会前のアップを眺めていると、切り返しが準備運動や整理運動と化しているように思えることが多々あります。
稽古の最初と最後に切り返しをやることには準備運動・整理運動の意味合いもあるのですが、それと同時に独立した稽古法でもあるのですから、前述した目的(期待される効果)を意識した上での切り返しを普段から心がけて稽古すべきでしょう。

そうすれば、審査前になって切り返しについて修正指導する必要など無いのですけどね。^^;




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