河田コーチぐう有能

6月14日(火)のカープvsライオンズはコリジョンルール適用によるカープのサヨナラ勝ちだったわけですけれども、この件に関するコリジョンルール批判は論点ズレを起こしていると思います。

同点で迎えた9回裏カープの攻撃、二死二塁一塁から赤松がセンター前ヒット。
二塁走者・菊池が本塁に突入するもセンターから返球がきてクロスプレイ、菊池がスライディングして回り込みを図るも判定タッチアウト。
しかしカープ側の抗議によりビデオ判定となり、その結果、コリジョンルール適用による走路妨害で走者生還のサヨナラ勝ち。

ここで露わになったのはコリジョンルールの問題点よりも、コリジョンルールに適応しきれていないライオンズ側の問題でありますよ。

ライオンズの上本捕手はセンターからの返球が逸れたために三塁線上での捕球となった旨のコメントを発しておりますが、今季のオープン戦を含めての判例では、偶発的か否かを問わず守備側が走者進路を塞いだ場合は例外なくコリジョンルール適用による走路妨害となってます。

例えば5月11日のタイガースvsジャイアンツでの↓これ↓

もひとつ例えば6月12日のバファローズvsベイスターズでの↓これ↓

ライオンズの例では5月6日の対ファイターズ戦での↓これ↓

これらに比べれば、今回のケースは明解すぎるほどに守備側の走路妨害であり、これら判例を知らないかのような上本捕手や田辺監督のコメントは疑問に思います。ライオンズの新ルールに対する認識不足が懸念されますね。


コリジョンルールに対する批判には私も同意するところ多々ありますけれども、新ルールとして適用されている以上はそれに適応したプレイが求められますし、それを前提とした判定に不服を述べることは、スポーツにおける公正を害する行為になりかねませんから、厳に慎むべきです。

野球に限らないことですが、どうも日本には、新ルールに対する不満を理由に新ルールへの適応が遅れてしまう傾向が多く見られるように思えます。

柔道における一本の細分化、F1におけるターボエンジン禁止、水泳背泳ぎにおけるバサロ潜航距離の制限、スキージャンプにおける板の長さ制限、スキー複合におけるジャンプ・クロスカントリーの得点配分変更、プロ野球における統一球問題、などなど枚挙に暇が無いほど記憶に残ってます。

新ルールに対する不満の正当性とは別問題として、新ルールによる影響をよくシミュレートして最適解の対応を見い出だし、それに適応したプレイを身につけて試合に臨むべきところを、マスコミとそれに煽られたファンだけならまだしも、現場までもが新ルール批判に精を出して新ルールへの適応を遅らせ、その結果として競技成績の凋落を招いてしまった例は多々あるのです。

カープはコリジョンルールに適応し、その最適解として、「ゴロゴー」(ゴロなら本塁突入)を合言葉に積極的な走塁を仕掛けてますし、守備面でもコリジョンルールに抵触するようなプレイは避けつつも、その範囲内での最善を尽くしてます。

ライオンズにそういった姿勢が欠けていたゆえのあのプレイであるとも言えます。それを指摘することなくコリジョンルールを批判するのは筋違いであり、かえってコリジョンルールの問題点を曖昧なものにしてしまう危険性さえ生じかねません。

まとめますと、コリジョンルールへの不満や批判とは別にして、現場にはコリジョンルールへの適応が求められますし、ファンもまずはそれを求めるべきだということです。

そして、コリジョンルールに対する最適解を導き出し、カープの中で完全に浸透させ、三塁ランナーコーチとして正確無比な信号機役を果たしている河田雄祐外野守備走塁コーチはぐうの音も出ないほど有能だということです。

その河田コーチ、昨季までライオンズでコーチしてたのですよね。野球の神様ってホント皮肉屋だと思いますわA^^;




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