消費税論

昨日の池上彰の番組(たしかTBS)で消費税の話が面白かったので、ちょいと述べてみる気になりました。


5%だった消費税が8%になって値段の計算が分りにくい。
10%にしちゃえばいいのに。

笑っていいともの後番組にて、上記主旨の発言をしたタレントが批判を浴びていたらしいですが、んー、私は真理を突いた良い意見だと思いました。

と、その話をする前に、そもそも私は、消費税をもっと上げ、その分だけ所得税や法人税を下げ、税収における間接税の比率を上げていくべきだと思っているってことを話さないとそこに繋がらない。

この時点で「なーに言ってんだお前は」とお思いの方も多いでしょうけれども、一般的には奇異な意見だと自覚してますので、もう少しお付き合いください。


捕捉率が肝だと私は思ってます。

隣近所といえども、よそ様の収入を知ることは難しいですよね?
(まー、そんな下衆なことしねーよってのが答でしょうが A^^;)
行政も他人の財布に入る金額を捕捉するのは至難の業なのです。

なので、所得税の捕捉率は俗にクロヨンと呼ばれるほどに不公平感が拭えません。

クロヨンとは、500万円の実所得があるとしたとき、その捕捉率が給与所得者は9割で450万円、自営業者は6割で300万円、農家は4割で200万円となるという意味。

そのまま速算控除額を適用して所得税額を算出すれば、給与所得者は814,500円、自営業者は290,250円、農家は190,250円となります。まー実際はここまで大きな差は無いでしょうけれども、それくらい不公平感があるということ。A^^;

そんな所得税と並んで税収の柱である法人税も、赤字決算でゼロになったり、うまく連結決算を組んで節税したりと、企業の羽振りのよさと税負担が比例しているとは思えない状況です。


それに対し、生活様式や行動から隣近所の財政状況がおおよそ分かるのと同様に、財布から出る金額を捕捉するのは難しくありません。

だからと言って消費税の捕捉率が100%というわけではないのですが、所得税や法人税などの直接税と比べれば捕捉率が格段に高いでしょうし、捕捉するための費用も人員もはるかに少なく済むはずです。

給与所得者も自営業者も捕捉率という観点では全くの公平ですし、法人として赤字だろうが黒字だろうが最低限の税負担が生じます。

つまり、正直者がバカを見ない。
消費税はこの1点において優れており、もっと高く評価されるべきだと思います。


その一方、消費増税により低中所得者層の税負担が増すことは事実です。

なので、消費税率を引き上げる代わりに低中所得者向け社会福祉政策の充実化が図られなければならないのですが、今回の消費税率引き上げは財政再建が先立ってしまい、それが体感できません。

社会福祉サービスが変わらずに税負担だけが増していると感じるわけですから、そりゃまぁ庶民なら誰しもが消費税率引き上げに反感を持つこと当然ですよね。

つまり私の中の結論をまとめますと、

消費税はどんどん上げましょう。
でもそれは医療や教育の無料化といった、体感できる形での社会福祉政策の充実化とのバーターが前提ですよ。

ということです。

しかし現実は、小さな政府を標榜する政権与党が消費増税をリードし、より充実した社会福祉政策の実現を訴える野党が消費増税に反対しているという状況下にありまして、私にはどちらも矛盾しているように思えてならないのですけどね。:-P

長くなったので、消費税10%肯定論は後日にします。




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Comments (2)

  1. too

    法人は消費税が上がっても何ともないんですよ。
    仕入1000万 消費税 80万を支払う
    売上1500万 消費税120万を預かる(普通の企業なら売上>仕入になります)

    最後に差額の40万を納めておしまい。
    なので法人税はこのままでも良いかと。

    Reply
    1. 甚之介 (Post author)

      tooさん、おはよう。

      >法人は消費税が上がっても何ともないんですよ。

      たしかにそのとおり。

      それでも経費名目で落としている様々なものにも消費税がかかるという意味において「法人として赤字だろうが黒字だろうが最低限の税負担が生じます。」と書いたつもり。

      法人税については国際間のタックスフリー競争に巻き込まれないことが肝要かと。

      Reply

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