常総石下大会中止の報に触れて

第39回常総市石下近隣剣道大会を中止する旨のお知らせが届きました。

同剣道大会は10月4日(日)に開催される予定でしたが、みなさま報道でご存知のとおり、常総市は鬼怒川の東側が大水害を被り、会場として使用するはずだった常総市石下総合体育館は避難所となっておりますから、復旧の目途が立たない状況の中、大会を中止とする決断に至ったものと思います。

主管である石下剣友会の皆様のご無念、如何ばかりでありましょうか。察するに余りあります。
と、申しますのは、私も4年半前に同じ経験をしたからです。

2011年3月11日(金)に東日本大震災が起きました。その2日後の3月13日(日)に私ども八千代町剣道連盟が主管を務める第32回八千代町近隣剣道大会を開催する予定でしたが、もちろん中止にせざるを得ませんでした。石下大会中止の報に触れ、当時の記憶が溢れ出しました。

震災の翌日に会場となるはずだった八千代町総合体育館に駆けつけてみれば、壁や装飾レンガが剥がれ落ちて散乱しており、補修と安全確認が必要な状態でした。そしてなにより、鬼怒川以西の茨城県全域が震災地域に指定されるに至っては、剣道大会など開催できるわけもないのでした。

電話をかけまくって大会中止の報を伝え、審判謝礼に用意した和菓子が緊急配布用の食料と化し、大会プログラムは製本されることなく震災の廃材とともに処分されました。そして、ゴールデンウィーク明けまでの約2ヶ月間、体育館の補修のため、稽古することが出来ませんでした。

そのとき、深く胸に刻まれたはずでした。
好きなときに好きなだけ剣道が出来る環境があること、剣道を出来る余裕のある生活環境があること、八千代町主催の剣道大会が開催できるほどに公共的な理解を剣道が得られていること、これらは当たり前にあるものではなく、とても恵まれていることなのだと。
そして、それは震災ひとつで消し飛ぶくらいに儚いものであり、稽古を終えた翌日に消え去ることさえあるのだと。だから、1回1回の稽古を意味のあるものにしなければならないし、けして疎かにしてはいけないのだと。

しかし4年半の月日が経過し、胸に刻まれたはずの想いや誓いが消えかけてました。
それを石下大会中止の報が蘇らせたのです。

今、常総市では剣道どころではない状況が続いてます。
私達が日常のままに稽古している一方で、剣道の稽古をやりたくてもできない人が隣接する常総市に大勢いるのです。
彼らに比べて恵まれている私達が、稽古を疎かにしてはいけない。彼らが剣道を再開できるようになったとき、助けてあげられるような力をつけなければならない。そんな話を昨夜の稽古前にちょいとお話しました。

石下剣友会の皆様のご無事と、来年度に石下大会が再開されますようにと祈念いたします。




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