剣道団体戦スコア表について考えた

全剣連スコア表

この連休中もあちらこちらで剣道大会が行われ、その情報を追いつつ思っていたのですが、団体戦の記録掲示方法って今後もあのままなのでしょうかね?

大きなもので以下に示す2つの疑問があります。

○全剣連公式の記録掲示方法とデファクトスタンダードの相違
○縦書きゆえの不便と不利益


では、全剣連公式の記録掲示方法とデファクトスタンダード(事実上の標準)の相違について。

野球を例に挙げるまでもなく、ほとんどのスポーツ競技では全国統括組織が標準と定める記録掲示方法で大会における試合経過を記録、そして掲示しますけれども、剣道では全剣連公式の記録掲示方法がスタンダードなものになっておらず、それとは別にデファクトスタンダードと言える記録掲示方法があります。

これは実に不思議なことであり、競技としてあるべき姿ではないのですが、なぜこのような現状となっているのでしょう?


まず、全剣連公式サイトに、全剣連公式の記録掲示方法が掲載されてますので以下にご紹介しましょう。

引用元:提示要領:試合者と審判員のルール | 剣道を知る | 全日本剣道連盟

全剣連スコア表

全剣連公式の記録掲示方法

これに対しまして、デファクトスタンダードと言ってよい、ウチの主管大会でも採用している記録掲示方法を以下にご紹介。

引用元:剣道対戦スコアの基本的なつけ方:東月寒剣道部会

デファクトスタンダードな記録掲示法

デファクトスタンダードな記録掲示法

私は、全剣連方式よりもデファクトスタンダードの方が記録掲示方法として優れているからこそスタンダード化しないのではないか? と思ってますけど、いかがでしょうか。


以下のように略しますが、

(全)……全剣連公式
(デ)……デファクトスタンダード

まず、(全)より(デ)の方が、視認性が格段に良いのですよ。

(全)は2本勝ち/1本勝ちで表記が異なるので勝者集計がしづらい。
(デ)は勝者=大きな○なので勝者数がパッと見で分かる。

(全)は1本づつ取り合ったときにどちらが1本目を取ったのか分からない。
(デ)は打突部位の略称が○で囲われている方が1本目と一目で分かる。

この2点が大きな差と言えるでしょうね。

しかしながら、剣道競技における試合記録の保守性を高めるためにも、やはり全剣連公式の記録表記方式で統一されるべきと思いますので、全剣連には実用性に富むデファクトスタンダードに歩み寄って頂いた上での試合記録掲示方法の標準化を求めたいものです。


次に、縦書きゆえの不便と不利益について。

拙ブログはもちろんのこと、IT化が行き渡った現代で流通しているのは横書き情報です。
縦書き情報も扱えないわけではありませんが、かなり無理が生じます。

試合記録をデータ化するにせよ、ネット配信するにせよ、オーダー表を始めとする剣道団体戦における縦書き情報を横書きに加工するか、縦書きを維持するための手間が必要となるからです。

その結果、大会結果(表彰者情報)がネット上に氾濫しているのと対照的に、試合結果(選手・本数・打突部位・延長有無・他)は希少な状況となってます。

高校野球に例えるなら、優勝チームの名前だけが氾濫していて、決勝の試合結果(選手・得点・本塁打・勝利投手・他)が見当たらない上に、主催者サイトにさえ掲載されないという状況で、これはありえません。

加えて、高校野球は主催新聞社を先頭にマスコミが報道してくれますが、競技としてマイナーである剣道は自らが情報発信する必要があります。

情報ソースである試合記録掲示を横書き化することによって、試合結果の情報発信を強く後押しすべきと思います。

また、最近はiOSアプリのKenDanRoku(剣団録)や、Androidアプリのcirport 剣道 スコアブックβといった、剣道試合記録用のスマホアプリが使用され始めておりますが、ジャンルは異なれどもソフト屋として言わせてもらえば (※私は組込制御)、データの縦置きや縦書きに対応する労力が多大であろうことや、縦置き&縦書きゆえの機能制限があろうことは、容易に想像が付きます。

横書き化することにより、費やさずに済む労力を別に振り向け、OSのGUIを機能制限することなくフル活用できるようになれば、もっともっと操作性と表現力に優れたソフトが出現することでしょう。実にもったいないことです。

上で紹介したアプリを使用せずとも、各家庭に当たり前のようにPCやタブレット端末がある現在ですから、試合結果記録をExcel等でまとめることは当たり前のように行われてます。

しかし、縦置き&縦書きゆえの不便さは、アプリ開発について上段で述べたものと全く同じことが言えるでしょう。

おそらくは記録しておしまいになっており、Excel等が本来の仕事とするデータ分析まで手が届いていないのが実情であるはずです。


上記を踏まえての私の提案は以下のとおりになります。

○全剣連には実用性を踏まえた公式掲示記録方法を新規に作成してほしい

○その公式掲示記録方法は横書きにしてほしい
(↓こんな感じ?↓)

横書きのスコア表

横書きのスコア表

皆様はいかがお考えになりますか?




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Comment (1)

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