師弟関係は重要なのかもしれない

歌手のASKAが覚醒剤使用の容疑で逮捕されてしまいました。
芸能ゴシップ記事を毛嫌う私がなぜ言及するかといいますと、ASKAが剣道に浅からず関わっていたからです。

今回で2回目の逮捕。2年前に同じ容疑で逮捕された際に執行猶予付きの有罪判決を受けてますから、今回も有罪判決に至ったならば実刑を免れません。

ASKAは高校時代に全国レベルの剣士だったそうでして、私は年代を異にするのでよく知らないのですが、同年代の先生方の言によれば、相当な実力者であったとのこと。

その後、とくに芸能界デビューしてからのASKAがどの程度剣道と関わっていたのかは存じませんが、NHKのある番組で同年代の剣友という触れ込みの全日本選手権覇者と稽古する様子が放映されたのを観た限りでは、意思と体の反応に乖離が見られる典型的なリバ剣さんの剣道で

これはほとんど稽古してないなー。忙しいもん仕方ないよねー。

というのが観た当時の感想だった記憶があります。

その番組の印象が冷めやらぬタイミングで2年前の逮捕がありましたから、剣道理念にて「剣道は…人間形成の道」としていることを揶揄されましたし、警察官でもある前述の全日本選手権覇者へのネットバッシングも相当なものがありました。
なお、現役の剣道指導者であったASKAの父親は息子の逮捕を受け、指導者の立場を降りるとともに竹刀を置いたと聞きます。

また、今回の逮捕間際にも更新されていたというASKAのブログには、剣道のオリンピック競技化について述べられた記事がUPされたこともあり、それが一部スポーツ紙に掲載されたことを受けて私が拙ブログにて持論を述べたということもありました。

話が長くなってしまいましたが、このようにASKAは剣道に浅からず関わっていたのです。しかし、剣道は彼が道を誤ることを防げなかった。そう思うと残念です。

や、剣道は人間形成の道だから、剣道家は人格者ばかりで犯罪者など1人もいないなどとは思ってません。人格を疑う振る舞いをする剣士もいますし、犯罪者となった剣道有段者もおります。剣道は取り組み方次第で毒にも薬にもなるということ、よく分かっているつもりです。

では、ASKAの剣道に何が足りなかったのか?
この点についてモヤモヤしているところにラジオでこんな話を聞きました。

あれだけ薬物関係での逮捕者が続出している芸能界において、なぜお笑い芸人から逮捕者が出ないのかというと、それは徒弟制度にある。

自分が薬物に手を出してそれが露見したとき、自分だけではなく師匠までもが干されてしまう。
そう思うと薬物に手を出すなんてことはできないのでしょうね。

お笑い系の芸能事務所関係者の話として聞いたことですが、思わずなるほど~と納得してしまいました。とはいえ、薬物以外の逮捕者は出てますから、一般人とは異なる禁忌の中での話でしょうけれども。

で、剣道に話を戻しますが、剣道でも師弟関係は存在します。
しかし、自らが求めて師事する師を得ている方は少ないですし、社会人になっても師弟関係が続いている剣士も少ないでしょう。かく言う私も師と仰ぐ先生を持たないままでおります。

ASKAの剣道に何が足りなかったのか?
それは師弟関係であるように思えます。

「私は○○先生の弟子」と言えて、なおかつその○○先生に「△△は私の弟子」と認められている関係が存在するとき、弟子も師匠も人の道に外れた行いをすることなどできないでしょう。

もちろん我以外皆師もよろしいのでしょうが、剣道が謳う人間形成を考えると師弟関係は重要なのかもしれません。


Comments (2)

  1. kanimimi

     柔道を修めていた時分は
    師匠と呼べる人はいなかったのですが…

     【例の日曜日の活動】の私の師範は、
    【〇〇流最高の使い手】と称されるお人なのです。
    するってーと、
    その弟子ある【例の日曜日の活動】の門弟は、
    それなりの目で見られてしまう。
    まだ私の帯の色が黒くなかった(茶)時に、
    【〇〇館の茶帯は他の黒帯】と言われていましたので、
    それなりのプレッシャーがありました。

     ですので、
    黒帯(有段者)に成りたくなかったというのが、
    黒帯になったときに
    私のほぼ同期的な門弟がよくよくいうセリフでした。

     師範に素晴らしい人を選ぶと、
    自分の術者としての道は変わってくるの訳ですが、
    それなりに自分もその門弟として、
    それなりに成らん(術者レベル的)といかなく成る。

     っんでまた、
    うちの師範は社会的も人間的にも
    素晴らしい人ですので、
    市井に生きる社会人として
    私もーという事になるともいます。

     【道】が付くものの
    素晴らしさは甚之介さんの仰る通りなので、
    師弟関係というものは
    人間形成に大事な事だと私も同調したいと思います。

      ・・・・・・・・・
     
     ‥ただ、
    フォローする訳では成りませんが、
    親子関係は
    師弟関係じゃないんですよねぇ。
    親御さんが高名な剣士であったが故に、
    ご家庭での父子関係は、
    ゲフンゲフンッだったかもしれません。

    Reply
    1. 甚之介 (Post author)

      kanimimiさん、コメントありがとうございます。
       
      親子関係と師弟関係の両立は難しいです。
      両立されておられる方も大勢いらっしゃいますが私には無理で、なりゆきで我が子の剣道を自ら指導する立場になってしまいましたが、師弟関係<親子関係という優先順位でなんとか凌いできました。
       
      ASKAとASKA父の親子関係は知ろうとも思いませんが、難しかっただろなぁとは思います。

      Reply

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください