伝達講習会

講習資料

昨日は茨城県武道館大道場にて平成26年度剣道中央(東日本)講習会茨城県伝達講習会が開催されまして、私も受講させて頂きました。

これまで伝達講習会の受講資格は七段以上となっていたのですが、今回は五段以上ということで、「ならば下妻地区は4団体から1人づつ出せるじゃないの」との会長判断を頂きましての受講。
下妻地区からの受講者は下妻から紫雲先生、東部からIK先生、千代川からTF先生、八千代から私、以上4名。

講習資料

講習資料


まずは茨城県武道館会議室にて開講式~講義伝達。
前日も事務担会議で同じ場所にいたんだよな~と思いつつ受講。

茨城県剣道連盟会長挨拶、講師紹介を経て即、中央講習会内容の説明に入りました。

この中ではとくにドーピング検査に関する伝達がありまして、すでに世界剣道選手権大会、全日本剣道選手権大会、国体でドーピング検査が実施されていること、違反した場合は選手の個人成績が自動的に無効となるだけでなく、2年間の資格停止となる旨が紹介されました。

日本人、とくに剣道の場合、競技力向上のためのドーピングが行われる事例はまず無く、ドーピング違反は医薬品(塗り薬、貼り薬、目薬、風邪薬など)、漢方薬、サプリメントなどの服用によるものが多いそうで、それでもドーピング違反となれば重いペナルティが課せられるため、注意が必要とのことでした。

アンチ・ドーピングに関する情報源を紹介されましたので、リンクを貼っておきます。


続いて、茨城県武道館大道場に講習会場を移して日本剣道形の伝達講習。
とくに目新しい伝達事項は無く、中央講習会にて注意されたポイントの紹介がなされました。

文字にしても伝わらないと思いますので割愛します。A^^;


続いて審判法の伝達講習。

審判法講習風景

審判法講習風景

やはりというか当然というか、有効打突の条件と諸要素の理解について、その必要性と重要性とともに繰り返し言及がありました。

有効打突の条件=剣道試合審判規則第12条

第12条
有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。

有効打突の諸要素=剣道試合・審判・運営要領の手引き(7頁)

有効打突の要素と要件

有効打突の要素と要件

また、これを知識として備えることはもちろんなのですが、知っているから実践できるかと言えばそんなわけはなく、数多く審判を経験し、反省と研鑽に努めることが必要である旨、強調されてました。

その部分を強調されるのに、講師を務められた山崎先生が徒然草の第百五十段を紹介してくださり、実に感銘を受けましたのでここに紹介。


《徒然草 第百五十段:原文》

能をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得て、さし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。

未だ堅固かたほなるより、上手の中に交りて、毀り笑はるゝにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性、その骨なけれども、道になづまず、濫りにせずして、年を送れば、堪能の嗜まざるよりは、終に上手の位に至り、徳たけ、人に許されて、双なき名を得る事なり。

天下のものの上手といへども、始めは、不堪の聞えもあり、無下の瑕瑾もありき。されども、その人、道の掟正しく、これを重くして、放埒せざれば、世の博士にて、万人の師となる事、諸道変るべからず。


《徒然草 第百五十段:現代語訳》 ※徒然草 (吉田兼好著・吾妻利秋訳)より引用

これから芸を身につけようとする人が、「下手くそなうちは、人に見られたら恥だ。人知れず猛特訓して上達してから芸を披露するのが格好良い」などと、よく勘違いしがちだ。こんな事を言う人が芸を身につけた例しは何一つとしてない。

まだ芸がヘッポコなうちからベテランに交ざって、バカにされたり笑い者になっても苦にすることなく、平常心で頑張っていれば才能や素質などいらない。芸の道を踏み外すことも無く、我流にもならず、時を経て、上手いのか知らないが要領だけよく、訓練をナメている者を超えて達人になるだろう。人間性も向上し、努力が報われ、無双のマイスターの称号が与えられるに至るわけだ。

人間国宝も、最初は下手クソだとなじられ、ボロクソなまでに屈辱を味わった。しかし、その人が芸の教えを正しく学び、尊重し、自分勝手にならなかったからこそ、重要無形文化財として称えられ、万人の師匠となった。どんな世界も同じである。


審判法、他にも多々教示がありましたけれども、書ききれないので割愛。A^^;


昼休憩を挟んで、午後最初の講義は救急法。
AEDの使い方を中心に実技講習が実施されました。

救急法講習風景

救急法講習風景

応急手当講習テキスト(改訂4版)を頂きましたので詳細はこちらを参照頂きたいのですが、5年毎に世界基準で見直しがかけられていると聞いて驚きました。つまり、応急手当方法は万国共通ということです。

なお、改訂4版が2010年のものですので、来年度に改訂5版が発行されるということになります。

また、茨城県の場合、平成25年4月1日施行の茨城県AED等の普及促進に関する条例により、昨年より急速にAEDが設置されている施設が増えてます。AED使用方法の講習機会がありましたら、ぜひ、受講されることをお勧めします。


続いて木刀による剣道基本技稽古法の伝達講習。
こちら、何ら目新しいところが無かったので割愛。

ただ、講習の中で頻発し、剣道講習会資料内の「木刀による剣道基本技稽古法の手引き」にもある「一拍子」の打突というものが消化しきれずにおります。
ここは私の勉強不足によるものなのでしょうから、宿題としたいと思います。


最後に指導法の伝達講習。

これも様々な教示がありましたが、技能の指導目標として挙げられた

  • 初級者(初~三段)・・・気剣体一致した技能の向上を図る
  • 中級者(四~五段)・・・懸待一致した技能の向上を図る
  • 上級者(六段以上)・・・心気力一致した技能の向上を図る

というのが簡潔明瞭にして深いなぁと思った次第です。


最後に指導稽古という名の稽古会。

合同稽古会風景

合同稽古会風景

五段以上という受講資格でありながら、受講者の9割は七段という状況でしたので、いやー揉まれましたw


以上のような内容でして、かなり駆け足な講習会でしたけれども、よくまとめられたテキストも頂いてきましたので、これを元に、後日、下妻地区での伝達講習を実施いたします。

あ、前日の事務担会議の話と同様にこれもアンオフィシャルでございます。
今後、県内各地区で伝達講習が実施されるものと思いますが、ここで書かれている内容と違っても苦情は受け付けません。A^^;




今回の記事がご参考になりましたら応援クリックをお願いします。
にほんブログ村 格闘技ブログ 剣道へ

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください