大相撲ルーチンはどこまでなら許される?
夏場所での琴勇輝ホウ封印を受けて、大相撲におけるルーチンについて再考しました。
(前記事が総括になってないぢゃないかw)
大阪場所の大活躍で新関脇となった琴勇輝のルーチン、すなわち「蹲踞の姿勢から腰を上げて数歩後退するやホウ!と咳払い」は定着してましたが、審判部より厳重注意を受けたとのことで、この夏場所、琴勇輝はホウを封印しましたね。
では土俵上でのルーチンはどこまでなら許されるのか?
これについては未だ不明確だと思うのです。
まず基本的な考えとして、私の本分である剣道もそうですが、試合や稽古に際して定められている礼法や所作事が既にルーチンの役割を担っておりますので、これにルーチンと称するオリジナルの所作を加える必要性は無いと思ってます。
もっと明確に言い直しますと、塩を持って土俵中央に向き直り、対戦相手と合わせて塩を撒くところから立合までの間は、ルーチンを挟むことなく、定められた所作事に則るべきかと思うのです。
立合における所作事は、合気で塩を撒き、合気で立合い線へと進み、合気で蹲踞し、合気で腰を上げて足の位置を定め、合気で腰を下ろし、合気で拳を着くことにより、合気の立合が成立しやすくなる仕掛けになってます。
残念ながら塩も蹲踞も全く合わせようとしていないのが現状ですが、ここにルーチンを挟むことを許してしまっては合うものも合わなくなります。
ルーチンに対応する所作の無い対戦相手の精神集中を一方的に乱す結果となり得るわけですから、その点で公正を害するということも看過できません。
この線引きで判定しますと、以下のようになります。
ホウ!(琴勇輝)
定着し、看板化していた点で残念には思いますが、完全にNG。
蹲踞から立つ際に手を鳴らす(高安など)
ホウ!がNGでパン!がOKなわけありませんよね。なお、琴勇輝はホウ!と一緒にやめました。
腰を割ってからの律動(千代鳳)
ルーチンと言うより単なる立ち渋りかもしれない。いずれにせよNG。
菊バウワー(琴奨菊)
両者が土俵中央に向いた時点で塩を撒く力士とは合気になりませんし、合気で塩を撒こうとする相手は待たせることになりますから、今の形ではNG。
妥協案として「土俵外に向いての菊バウワーから土俵中央に向き直って塩」であれば許容範囲かと。
気合入れ(高見盛)
塩を持つ前の土俵外に向かっての行為なので許容範囲。菊バウワー妥協案の根拠。
対戦相手はゆったりとタオルで汗を拭うなどしていればよい。
平蜘蛛(日馬富士)
対戦相手との合気を避けて両拳を着いた時点で立合キャンセルであり、その後の所作なので許容範囲。
最後の塩に向かうときのマワシたたき(勢、朝青龍)
上と同じ理由で許容範囲。
大量の塩(水戸泉)
許容範囲。礼法としてどうなのかは相撲関係者に問いたいところだけれども。
こう並べてみて、根本的なところを述べてないことに気付きました。
ルーチンとされている所作が、時間一杯の仕切りになるまで立たないことを前提としていることがそもそもおかしいのですね。
私、どちらかと言えばルーチン許容派でしたが、今後は廃除派に転じるかもしれません。(大相撲に関しては)