素晴らしかった木刀による剣道基本技稽古法演武
あと1つだけ全日本剣道選手権大会の話を書きますので、お付き合いのほどを願います。
もう既に恒例行事として定着しておりますが、3回戦終了後に2つの試合場から1つの試合場に設営し直す際に、小中学生剣士による木刀による剣道基本技稽古法の演武が披露されます。
一昔前と比べますと同稽古法も普及が進みましたから、もの珍しさ、目新しさ、といったものはありませんで、失礼ながら、私も大会の間をつなぐだけの役割という認識でしたので「さーて準々決勝を前にトイレを済ませておくかー…」と腰を浮かせかけたのですよ。
ところがところが、今年の調布市剣道連盟さんによる「木刀による剣道基本技稽古法」公開演武は一味も二味も違いましたね。
今のところYouTube全剣連チャンネルにはUPされておらず、現地で観ておられない皆様にご提示できないのが残念ですが、なんと言えば良いのでしょうか、とても重みがありましたよね。
同稽古法は竹刀稽古と日本剣道形による形稽古の中間に位置するものですが、おー、ここまで剣道形に近い演武が可能なんだー、と見惚れてしまい、トイレに立つことを忘れて魅入ってしまいました。
どちらかといえば竹刀稽古寄りの演武に仕上がりがちな同稽古法です。
小中学生は同稽古法で所作や木刀と竹刀の違いをある程度理解するも、一級合格後は日本剣道形に移行してしまうので、同稽古法に立ち戻るのは指導する立場になってから…という現状ですから、同稽古法をあのレベルまで練り上げるという発想自体がありませんでした。
しかし、練り上げられた同稽古法はとても美しかった。
無理ムラ無駄が削ぎ落とされた剣の理が見事に表現されてましたし、指導が呼吸法までも及んでいることは外形から伺えました。
同稽古法に対する認識を改める機会を頂き、感謝するほかありません。
調布市剣道連盟の皆さん、素晴らしい演武をありがとうございました。
《2014年11月13日 23:18 加筆》
YouTubeで動画を拾えましたので提示します。