三本勝負と勝負三本

現代の剣道で通常用いられている試合形式である三本勝負は「三本で勝ち負けを決する」という意味であり、一方の選手が2本先取することで勝負が決まりますから、2-0となった時点で試合終了となります。

個人戦は良いのですが、団体戦は三本勝負で良いのでしょうか?


団体戦はまず勝者数でチームの勝敗が決まりますけれども、それが同数である場合は取得本数の多いチームが勝ちとなります。

この際に、2-0となって二本の勝負で終えた試合と、2-1や1-2という三本の勝負が行われた試合が混在することにモヤっとしませんか?

とくに、2-0という結果のわりに競った内容であったとき「三本目があれば2-1になったかもしれないよな」と思ったことはありませんか?

○を1本取った、×を1本取られた、として表現しますと、○××や×○×という試合結果が現実に存在する以上、××○という試合結果が出現する可能性は十分にありますからね。

また、2-0の秒殺で「三本目があれば3-0だろうな」という試合も少なくありませんが、取得本数というポイントへの貢献度は2-1と同じ2本。うーん、やはりモヤっとします。

そう考えますと、団体戦は三本勝負ではなく勝負三本、すなわち試合時間内であれば2-0後の三本目が実施される試合形式にした方が公正であるように思えるのですが、いかがなものでしょうか?

と、言いますのは、先の土曜日に中学校新人戦のプレ大会が行われまして…


話を進める前にそのプレ大会について少し説明しておきましょうか。
茨城県西地区の中学剣道では、総体および新人戦の前に、その組合せ決定の参考にするために各校のランキングを決める錬成試合を行いまして、その通称をプレ大会と言います。

まず直前の公式戦結果を反映してなるべく均等となるように配分した6校リーグを6つ作り、6校総当たり戦を午前中に実施。チーム勝数×20点、同引き分け×10点、勝者数×2点、取得本数×1点の合計ポイントで暫定ランキングが決定されます。

午後は暫定ランキングを元に暫定1位から順に3校づつ組んでの3校リーグ戦を行います。その結果、リーグ内で1位となった学校を上位のリーグへ、同3位となった学校を下位のリーグへと入れ替えを行って、再び3校リーグ戦を実施。

上記要領で3校リーグ戦を3回行い、最後に上位リーグの3位と下位リーグの1位による決定戦を行ってランキングが確定…という内容です。
(伝わってますか? 説明が下手でスイマセン。A^^;)


で、そのプレ大会で、私は外部指導員を務める学校の女子の監督に就いたのですが、部員が5人ぴったりであるところ1人が体調不良で欠場となってしまい、次鋒戦を不戦敗とする4人チームで試合することになったのですよ。

午前の部=6校リーグは2勝2敗1分のイーブン。
しかしながら、1人欠場ゆえのポイント不足感は否めず、午後の部は36チーム中の暫定20位からのスタートとなりました。

午後の部では、午前の部で選手に繰り返し説いた「勝負をつなぐことの重要性」と「プラス思考への転換」が効いたのか、なんと負け知らずの6勝1引き分け。3校リーグ戦は3回とも1位で、ランキングも12位まで押し上げるという最高の結果を得たのです。


その午後の部の6勝のうち5つまでもが本数勝ち。

監督である私の脳内は常に本数計算を強いられる状態が続いてまして、本数で競り合う試合で勝利するという監督冥利に酔いつつも、前述したようなモヤモヤ感も徐々に増してきまして、スコアを眺めつつ「これ、ウチの勝ちで良いのかなー」と思ったのですよ。で、団体戦は三本勝負ではなく勝負三本の方が公正なんじゃないかなーと……

まー、現行のルールを最大限に活かすための「勝負をつなぐことの重要性」であり「プラス思考への転換」なので、もちろんウチの勝ちで良いのです。

仮に勝負三本での団体戦となれば、それに適した作戦指示になるだけの話なのですけれども、なのにこういうことを考えてしまう私はマイナス思考なのでしょうね。


ちなみに「勝負をつなぐことの重要性」と「プラス思考への転換」をなぜ「」括りで書くかと言いますと、実はT先生の持論の受け売りだから。

酒席で何度も聞いた話であり、理解していたつもりでしたが、実のところ理解できていなかったのだなぁと猛反省しきりです。




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