名古屋場所中盤戦を経て賜杯の行方を占う
と、恒例記事ゆえの固定タイトルを付けてしまいましたが、もーいーよー、天皇賜杯は白鵬が持っていけよ、どーでもいーよーと投げやりな気持ちに支配されつつあるどうにも困った中盤戦でした。
名古屋場所中盤戦は七日目、中日、九日目が海の日絡みの三連休と重なり、剣道行事もとくになく、テレビ桟敷で十両からガッツリ観戦しましたが、熱戦と呼べる取組が無くはないものの、それが幾多もの内容に乏しい凡戦に埋没してしまい、ちーっとも盛り上がれません。
星勘定的に言えば、贔屓の稀勢の里がイマイチなのはともかくとして、高安が中日勝ち越しの絶好調であります上に、全勝の白鵬を琴奨菊が1敗、鶴竜が2敗で追う展開なのですから、良いとは申せないもののさほど悪くはないのです。
でも、各行司が「手を付いて!」を連呼せざるえない立合が常態化している上に、引きや叩きによる瞬殺相撲(自滅含む)の出現率が十両も幕内下位も幕内上位もまんべんなく高め(統計データなしの感覚的なものですが)ときては、なんと言いましょうか、相撲を観た気がしないのですよ。
ところで、七日目、中日、九日目、十日目と土俵入り時刻が予定より遅れ、立合の仕切り時間が短縮されたりしておりますが、これも凡戦頻発の遠因ではないか?とも思うのですけどね。このへん、日本相撲協会は主催者として対策を打ってるのかいな?と疑問に思ってます。
ともあれ、この三連休合計で9時間もテレビの前にいたというのに何ら得るものなし。この空虚感、いったいどーしてくれる? と尖りつつある十日目終了後の私です。
さて、本題でありますから、天皇賜杯の行方を占いますけれども、まー白鵬でしょうね。
や、今場所の白鵬には大いに不満なのですよ。
中盤から支度部屋に貼られた「汗を拭け」の貼り紙は白鵬に対してのものですし、乱雑な懸賞の受け取り方、厳しい相撲という名のダメ押し、健闘むなしく敗れた嘉風のアゴに手をかけて顔を上げさせる、などなど、数々の不作法が各方面から指摘されている白鵬が、通算30回目の幕内最高優勝を飾ることで名実ともに「大横綱」と呼ばれるのは、なんとも言いようのないモヤモヤ感が生じてしまうでしょうからね。
しかし、いつものことながら中盤で相撲をまとめ、この中盤戦、役力士の中でその地位に相応しい相撲内容を示してますのは白鵬のほかには琴奨菊のみ。
その琴奨菊がカド番とは思えない相撲を取っているとはいえども、そこはやはり両膝が癒えてないゆえの速攻相撲であることを割り引かねばならず、白鵬に立ちはだかるとは思えません。
となるとやはり、白鵬の優勝ですかねー。せめて他の横綱がピリッとしてれば他の目もあるのですけど…。
というわけで面白い賜杯争奪戦は期待できそうもありませんので相撲内容の充実に期待したいところですが、勝ち越しのかかる終盤戦、どんな場所でも落ち穂拾いと化しますから、優勝戦線離脱組が序盤や中盤より濃い相撲になることは稀なのですよね。こちらも千秋楽の77対決に期待するほかないのかなーと思うと、早起きして録画深夜場所を追う気が薄れてしまいますよ。とほほ。
すっかりクダ撒いてしまいましたので、気分転換に数少ない褒められる力士について書きますよ。
まずは高安。中日勝ち越しおめでとう!
中盤では序盤ほど自分優位の組手になれなかったけれども、不利な状態でも崩れずに粘り強く勝機を覗う姿勢がとてもよろしい。
加えて、常に左右どちらかを前に出している足の構えと、右上手から繰り出す技の幅が広がったことが良いですね。
そして妙義龍の速攻に屈した翌日も相撲は崩れずに連敗阻止。
連勝すれども連敗もするツラ相撲卒業が終盤戦のテーマであり、それが出来れば三賞獲得も確実なものに出来るでしょう。
平幕唯一の1敗なので、割を崩されて上位と当てられるでしょうが、そこは三役経験者なのですから頑張ってほしい。
次に豪栄道を挙げておきましょうか。
負けた相撲(初日の嘉風、六日目の勢)の印象が悪く、六日目で早くも2敗に後退していたゆえに評価が低い豪栄道ですが、先場所と比べたら雲泥の差。久しぶりに豪栄道らしい相撲が続いてます。稀勢の里、鶴竜に勝った相撲は相手がだらしなさ過ぎたので参考になりませんが、強気が売りの豪栄道が戻ってきたことは確かでしょう。
優勝は今場所も白鵬じゃねーの?という白けた予想を覆す可能性は、本日十一日目に組まれた豪栄道-白鵬戦に掛かっていると言って過言ではありません。期待したいものです。
琴奨菊ですが、ここまでやるとは思いませんで、驚いてます。
鶴竜に敗れての唯一の黒星も前に出ての相撲で、横綱の上手さにやられたとはいえ悪くないものです。稀勢の里戦では相四つ狙いの相手を読み切っての右差し速攻、贔屓のこちらとしては悔しかったですが、お見事としか言いようがありません。
ただ、どうでしょうかね?
両ヒザの状態を考えると、疲れが蓄積しているであろう終盤戦は楽観視できないという実情はやはりあります。白鵬との直接対決を制して初の幕内最高優勝を!というよりは、このままケガなく好成績のカド番脱出場所としてほしいのが正直なところです。
流れで贔屓の稀勢の里について、早くも反省会を開いてしまいますけれども、豪栄道戦といい、稀勢の里戦といい、左脇が空いて相手右差しを許してしまって為す術なく寄り切られてますね。脇の甘さは随分と改善されてきたと思っていたので、この2つの黒星にはかなり落胆しております。
逆に言えば課題はハッキリしているということで、左の相四つの琴奨菊に右差し速攻を許して完敗した相撲を猛省した上で左を固める重要性を再認識してくれたならば、優勝戦線をかき回すKYな役どころは務められるのではないでしょうか。
〆に大砂嵐のかち上げ問題について。
どうも稀勢の里、千代鳳と大砂嵐の取組をきっかけに、苦情の声が所属する大嶽部屋に集中したらしく、大嶽親方が苦情を元に厳しく叱責したとのスポーツ紙報道がありました。
後手を踏むとはこのことです。
あのあからさまな顔面狙いの右かち上げは先場所終盤戦に確立したものであり、とくに遠藤戦のそれを多くのメディアが褒め称えたがために、大砂嵐が勘違いしているという実情もあるかと思いますが、あらためさせることができないまま今場所に臨んだことには大嶽親方の指導力が問われて然るべきです。
で、厳しい叱責の結果、大砂嵐は叱責を受けた直後の白鵬戦ではかち上げを使いませんでしたが、封印したのはこの日のみ。翌日の遠藤戦では復活し、十日目の照ノ富士戦ではあからさまに肘をたたき込みにいく右かち上げを見せました。付けるクスリありませんな。
しかしながら、豪栄道、遠藤、照ノ富士と、それぞれの方法で大砂嵐の右かち上げを封じてみせました。あの右かち上げは技術的にも稚拙ですし、そう来るのが分かっていれば対処できるわけですから戦術的にも価値の低いものなのです。通用しないってことを理解すれば大砂嵐も別の手を考えるでしょうが、2つの金星が彼の勘違いを支えてしまっているのかもしれません。そう考えると、安易な立合をした鶴竜、詰め切れずに落ちた日馬富士は罪深いものがあります。
観るところ少ないと思い込んでいた名古屋場所終盤戦ですが、こう書いてみますとそうでもありませんね。本日十一日目に至っても高安の割が崩されなかったところを考えると、高安の平幕優勝の可能性さえチラつき始めました(さすがに贔屓の引き倒しか A^^;)。
琴奨菊に頑張ってもらって、豪栄道にも頑張ってもらって、稀勢の里にKY発揮してもらって、日馬富士と鶴竜に先場所見せられなかった横綱の意地を見せてもらって、終盤戦を楽しめたらいいなぁと思ってます。
貼り紙は「白鵬を見習う勿れ」1枚で足りますけど、さすがにそうは書けませんから。
優勝争いには興味ないですが、相撲が今場所は悪すぎるのでつまらないです。今のところ中日まで見ましたけど、良い日がないです。
…土俵入りの時刻は割紙に書いてあるんですけど、あの予定通りに土俵入りが行われることのほうが稀です。
本当に予定通りだったとしたら、十両がかなりつまらなかったということになりますが。
大砂嵐のかち上げ、そんなに問題ですかねぇ?
あの浅さしかない手に周囲が踊り狂うというのは、踊る側の浅さを示すだけですが…(まぁ白鵬が懸賞を握った右手をあげているのを見て観衆が喜んでいるんですから無理もないんですが)
あのかち上げが問題になるなら、魁聖戦の白鵬の出し投げも、豊ノ島戦の照ノ富士の閂も問題になってしまうわけです。
相撲評論家様、おはようございます♪
やー、本文でもこぼしまくりになってしまいましたが、今場所はやはり面白くないです。
それでも昨日、豪栄道が白鵬に土を付けてくれて、賜杯争い的には少しは楽しめそう。
大砂嵐のかち上げ、その常習性が騒動に輪をかけているかと。
終盤戦での進化に期待したいところです。
甚之介さんご無沙汰しています。
色々問題があった頃から面白くないと感じていましたが、
最近は殆ど結果のみ確認している状況です。
一番の原因は、横綱がつまらない、力士の見本とは思えないからです。
以前も言っていましたが、僕は白鵬も贔屓のお相撲さんだったのですが、
ここ数年の言動を含めた彼の所作は琴線に触れません。いや、気に入らないです。
かれこれ50年近く相撲は見てきましたが、もう見なくても良いかな?卒業したい気分です。
豊真将のような礼儀正しいお相撲さんが出てこないならもういいや。
(すみません、今回は愚痴ばかりです)でも蒼国来は応援していますよ!
Starship & Sunさん、おはようございます♪
横綱のつまらなさ、分かるような気がします。同感する部分も多々あります。
私は平幕の相撲に面白さを見出していたのですが、今場所は・・・
まー、こういう場所もあるさー、と自分に言い聞かせてます。
それにしても豊真将の大ケガは残念無念。
蒼国来も思ったほど星が伸びず、うーん、と思っております。