「攻め」の考察

「攻め」が無い。
「攻め」が足りない。

というご指摘を頂くことが多いのだけれども、そのご指摘をくださる先生方の「攻め」の認識および定義が意外とバラバラで、なおかつ自分自身が「攻め」について理解不足であるため、
「じゃあ具体的に私はどうしたら良いのだろう?」
といった具合に悩みが深くなるばかりの私と母校後輩であるK君なのでした。

あ、私とK君は六段受審資格を得た五段で、ほぼ同じレベルです。


話は先の日曜日に遡ります。

先の日曜日は茨城県道場連盟の総会が水戸の茨城県武道館でありまして、朝日道場さんの10人乗りワゴンに4道場相乗り、私の運転で向かいました。

茨道連の総会は稽古から始まります。
各道場の代表者が集まっての稽古会ですからレベルも高く、私も腰痛を押して参加した甲斐を十分に感じられる稽古を頂きました。

その帰路の北関東道の車中、なーんか話の経緯はあやふやなのですけど、朝日道場に戻ってから稽古しようという話になってしまい、じゃあってんで六段審査受審を控えているK君を帰路途中で拉致りまして、朝日道場にてまさかの二部錬となったのでした。

その後は当然のように第二道場(あれ?第三道場?)となりまして、その中での剣道論にて「攻め」の話になったのですよ。


#《業務連絡》
#第二道場セミレギュラーになりつつある雰囲気ですが、
#家庭内不和を生じる前に少し参加頻度を落とさねば。
#や、第二道場大好きですけど、やっぱ家庭が第一ですよ。A^^;


まず、気付いたのは、
「攻め」とはなんぞや?
という問いに対しての回答に、長嶋茂雄的擬音語表現が多いのですね。

「スーっと入ってトンと打つ」であるとか、「相手の中心をグググッと攻めてパキーン」とか。

長嶋茂雄のそれも同じだと思うのですが、稽古で先達から薫陶を受ける中で体感的に得たものを口語表現すると、どうしても擬音語表現になってしまうのですよね。

おそらくは擬音語表現する当人の中では理が整っているのだけど、それを受ける側はそのレベルに近いところまで到達してないと理解に至らない。
私やK君が欲する答えはそれではないのです。

でもK君、かなり食い下がってくれましたので、その話の中で出たものを私なりの理解でまとめてみました。


「攻め」とは、相手の反応を引き出すための働きかけの総称。


「相手の反応」には、防御姿勢に入る、攻撃姿勢に入る、居着く、などが挙げられますが、肝要なのはそれらを「引き出す」ことですね。

つまり、防御姿勢を引き出す、攻撃姿勢を引き出す、居着きを引き出す、というように明確な意図があっての「働きかけ」ということになります。そして、働きかけにより引き出したところを打突するわけです。

「働きかけ」には、間合を詰める、自分の竹刀で正中線を制する、相手竹刀を制する、こちらから打突を起こす、気合を掛ける、ほか様々な方法と組合せが無限にありますけれども、「働きかけ」が「相手の反応を引き出す」効果を得るか否かは相手や状況によるので、万能で絶対的な方法は存在しません。

自分の「攻め」の理のベースとなる「働きかけ」を構築することは必要ですが、正確な状況認識と相手をよく観察することによって常に最適解の「働きかけ」をすべきであり、そのためには「働きかけ」の選択肢に幅があるべきでしょう。


結局のところ、「攻め」の話は館長先生のおっしゃっていた「読みと反応」の話に繋がるのではないかと思ってます。

体力と運動能力のピークが剣道の実力のピークとは必ずしも一致せず、人によっては年齢を重ねる毎に強くなることさえある理由は、読みを効かせた攻めを伴う反応が運動能力に任せた反応を凌駕するから。

読みを効かせた攻め、攻めを効かせた読み、そしてそれらを伴う打突。
これをある程度のレベルで体現することができれば、六段合格を得られるんじゃないですかね?


というわけでK君の六段合格を祈ります。
私は六段受審の前に、まず腰痛をなんとかしないと。A^^;




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