照ノ富士への謝罪

14日目に照ノ富士が見せた注文相撲について、Twitter上でかなり批判的に述べてしまいました。
しかし、熱狂から冷めた今になって振り返りますと、照ノ富士はそれをやるしかなかったのだなぁと理解するに至るのです。
私は照ノ富士に謝罪しなければなりません。

十三日目の鶴竜戦で左ヒザの故障を再発したと聞きます。
録画を見直しましたが、まったく表情に出ておらず分かりません。

ただ、次の取組で同じ東土俵から上がるため照ノ富士から水を付けてもらった兄弟子の日馬富士にはその異変が伝わったのだと思います。
それゆえの稀勢の里戦での尋常ならぬ気迫と神速の立合と考えれば合点のいくところでしょう。稀勢の里が大ケガを負ったことは不幸なアクシデントでありましたが、それを除けば見事な一番でした。

兄弟子の援護射撃により稀勢の里と星が並んだ照ノ富士。しかも稀勢の里はまともに相撲を取れる状態ではない。となると、優勝が照ノ富士の使命になります。が、左ヒザの状態があまりにも悪く、出足と馬力が戻っている今場所の琴奨菊の立合をまともに受けるわけにはいかない。

まず、最初の立合では先手を取らんとした。先手を取ることで琴奨菊の出足と馬力を吸収したかった……が呼吸を得られずに立合不成立となってしまった。

そして仕切り直しての立合。同じ手は使えない。えーい、ままよ、と変化したのでしょう。

千秋楽の相撲は稀勢の里の記事で書きましたから割愛しますけれども、本割では足を送れずに突き落とされ、優勝決定戦では小手投げに体を寄せる足を使えず先に落ちました。この足運びをあらためて観ますと、十三日目までの照ノ富士とは別人であることが分かります。

そう考えますと、琴奨菊戦での変化はあまり責められないように思えるのですね。


大関が、しかも13勝1敗という好成績で相撲内容も久し振りに良かった大関が、変化をするというのは異常事態です。憤る前に、照ノ富士が注文相撲を選択したことに対して忖度すべきでありました。

言い訳になりますが、前日に稀勢の里が絶望的な大ケガを負ったことや、琴奨菊がこの相撲に敗れたことで大関復帰が叶わない結果となったこと、当の琴奨菊が二字口での立礼を拒否するほどの憤りを表に出し、それに同調してしまったこと、などなど多数の火に油な状況が照ノ富士に対する批難という形で炎上してしまいました。

自分としては、もう少し冷静に相撲を観られている向きだと思っていたのですが、我を忘れてました。
照ノ富士への心ない批判をしてしまったことを、照ノ富士に謝罪したい。

久々に強い照ノ富士を見せてくれたことに感謝しつつ、再発した故障が早く癒えるようにと心より祈ります。




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