蹲踞と蹲踞[そんきょとつくばい]

※旧ブログで掲載した記事の焼き直しです

とある指導者講習会にて講師から与えられた宿題。

「蹲踞(そんきょ)の意味・意義について調べておくように」

実に難しい宿題でしたが、私なりに答を出してみました。


蹲踞 – Wikipedia

↑上のリンク先↑等で、蹲踞の姿勢そのものや、意味合い=”座法”or”礼法”であることは分かるものの、意義までは書いてありません。

色々と調べたり考えたりしてようやく自分なりの結論に達したと思えたわけですが、そのヒントは同じく”蹲踞”という字があてがわれる”つくばい”の意義でした。

つくばい(蹲踞、蹲)とは日本庭園の添景物の一つで露地(茶庭)に設置される。
茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢に役石をおいて趣を加えたもの。手水で手を洗うとき「つくばう(しゃがむ)」ことからその名がある。

もともと茶道の習わしで、客人が這いつくばるように身を低くして、手を清めたのが始まりである。茶事を行うための茶室という特別な空間に向かうための結界としても作用する。

つくばい – Wikipedia より引用】

なるほど と思いました。

そして、同じ蹲踞という字で表されるからには”しゃがむ”という動作が同じというだけではないだろうなぁと。

茶道における蹲踞(つくばい)が「茶事を行うための茶室という特別な空間に向かうための結界」であるならば、剣道における蹲踞(そんきょ)は「白刃の下に身を置き錬磨する特別な空間に向かうための結界」と考えたところ、あ、これは正解への入口が見つかったかなぁと感じることができました。


剣道の場合、九歩の間(お互いの距離がおよそ九歩くらいの距離)にて立礼⇒帯刀して、お互いに三歩進んだ位置で蹲踞するという礼法になってますから、蹲踞した時点のお互いの距離は”三歩の間”となっております。

もしこれが”二歩の間”ですと、”一足一刀の間”か近間に入ってますから、”白刃の下に身を置き錬磨する特別な空間”に踏み込んでることになります。

もしこれが”四歩の間”ですと、遠間に過ぎて緊張感が削がれます。

”三歩の間”だからこそ、太刀(2~3尺)を中段に構え、横手を合わせて対峙するという、結界という名にふさわしい位置取りになるわけですよね。

この位置取りで太刀を抜き合わせつつ蹲踞という戦闘不能な姿勢を取る。

で、互いが阿吽の呼吸で立ち上がった瞬間から、稽古あるいは試合という”特別な空間”となり、その”特別な空間”から出る際にも蹲踞をすることでその結界から抜け出る、というわけです。

さらに言うと、その結界は自分だけでは作れず、稽古や試合の相手があってこそ成立するものなのですから、手前勝手に立礼から三歩進んでヒョイと蹲踞するなんてのは無礼なのですよね。


というわけで、
蹲踞とは、稽古または試合という特別な空間に出入りする際の結界である
というのが私の現在の認識です。

いかがなものでしょうか?と、いつの日か講師の先生に伺いたいものです。A^^;




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