審判員1人あたりの適正な試合数は?

今年の某大会でのこと。
(なんとなくどの大会のことかお分かりになられる方もいらっしゃるとは思いますが、大会批判を主旨とするものではありませんので、大会名は伏せさせて頂きます。)

小学生個人勝ち抜き試合の審判を担当していたのですが、大会終盤になって審判主任より有効打突の見落としがある旨の注意を受けました。私の担当試合場は本部席に近く、審判長からその旨が審判主任に伝えられたそうです。(私1人に対してではなく、審判員全体への注意喚起)

また、私については、押し出し型のローテーションで審判を務める中、ローテの最後の試合の最後の打突判定が、私だけ無効としたメン打ちだったケースがあったのですが、審判席に戻った際、それについて審判主任の先生から「なぜ無効としたのですか?」と問われました。

率直に「私の見た角度からは竹刀の打突部が正面打突部位からコメカミへと流れ落ちたのが見えましたので無効と判定しました。」と回答したのですが審判主任の先生は納得されていない様子でした。

ただ、その判定に絶対の自信があるのかと問われるならば、選手関係者から批判されてしまうであろうことを承知の上で答えますが、そこまでの自信はありません。
なぜかと申しますと、疲労によるコンディション悪化を自覚していたからです。

私たちが担当した試合場で消化した部門は160人を超えてました。

敗者復活戦もあり、その半分を他の試合会場に移動して頂きましたが、10時前から16時頃まで約6時間ぶっ通しで試合を進行しました。試合時間2分で計算(※1)すると180試合くらい消化したのではないかと思います。

※1
短い時間で終わる試合もありますが、選手交代や審判交代等の試合が止まっている時間も加味すると、試合数消化に必要な時間=試合時間×試合数となります。これは大会運営上の経験則によるもの。

これを8名の審判員で3試合交代の押し出し方式で廻したわけですから、180÷(8×3)=7.5巡。1巡=9試合で、9×7.5=67.5。私は約70試合の審判を務めたことになりまして、なんとなく実感とも合致するように思えます。

審判経験上の個人的な感覚でしかありませんが、ベストコンディションで判定が出来るのは、この場合3巡=27試合くらいかと。5人制の団体戦に換算すると6試合(うち主審2試合)くらい。

これ以上の試合数を審判することも珍しくありませんが、心身ともにキツイと感じますね。ましてやその倍の試合数となりますと…。

前述した審判主任先生のご指摘を受けたのは敗者復活戦の頃=最終盤でしたから、60試合くらい審判した頃ではないかと。疲労の自覚は強いものがありました。

判定にはベストは尽くしましたが、コンディションがベストだったかといえば答えはNoでして、審判長や審判主任が「有効打突の見落としがあった」と言われるのであれば、申し訳なくもそういうこともあっただろうと認めるほかないのです。

そう認めざる得ない試合環境は、審判はともかく選手が不幸になるだけですので、審判員の増員をお願いしたいところなのでありますが、大会運営側視点で資金的、人材的にそれが難しいことも承知しておりますから、どこかに折り合う点は無いものか?と考え込んでしまいますね。

全剣連が「試合運営の手引き」あたりに、試合数に必要な審判人数の目安を提示してくれると検討の土台になるのですが、まぁ私の感覚だけで審判員が少ないの試合数が多いの申しましても説得力が無いのです。

さーて、審判員1人あたりの適正な試合数はいくつくらいなのでしょうね?

とりあえず、審判の合間は審判席ならびに担当試合場から離席できる自由がほしいものです。委嘱されての審判ですから審判の任務に専念しなければならないことは理解するのですが、試合場から離れてくつろげる時間が昼食時だけ、それであの試合数はツライものがありました。




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