割崩しについて【九州場所総括2】

九州場所総括の続き。
審判部への不満は立合指導の他にもう1点あるのです。それは割崩し。

2日目に豪栄道-高安を組みましたが、本来ならこんな浅い日に組まれるはずのない東1大関と東関脇の取組を入れた理由は「客寄せ」でしかないですよね。

ただでさえ客足の鈍い九州場所。日曜日である初日はともかく、二日目の月曜日はどうしたって客足は落ちますから、先場所から継続している満員御礼の連続記録を絶やしたくない、これを起爆剤に十五日間トータルの観客動員を増やしたい、と考えることは、大相撲とて興業ですからよく理解しているつもりです。

そこで、横綱昇進のかかる大関vs大関昇進のかかる関脇という今場所の目玉と言ってよい取組を入れたのでしょうが、その甲斐なく満員御礼の連続記録は途切れました。

冷静に考えてみれば、安易な「客寄せ」に走ったことを猛省することになるのではないでしょうか?

いくら綱取り場所だ、大関昇進のかかる場所だと言いましても、白星を積み上げないことには現実味を帯びないわけですから、
「さぁさぁ、二日目に綱取りの豪栄道と大関取りの高安の取組を入れたよー、今場所の目玉だよ、見ないと損損、さぁ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」
と声を張り上げたところで胡散臭いものを見るような目を向けられるだけに終わるのは当然のことですよ。

さらには、二日目にして早くも綱取りか大関昇進かのどちらかが一歩後退するのですし、対戦する当人達だってまだ自らの調子も分からない浅い日にいきなり分水嶺を迎えたら調子を崩しますよ。誰得?とはこのことです。

その結果が豪栄道のクンロクと高安の負け越し…とまでは言いませんが、少なからず影響を与えたことは確かであり、両力士にはお気の毒さまでした。


で、豪栄道-高安はまだ許せるのですが、千秋楽に稀勢の里-琴奨菊が組まれるべきところ、割を崩してそれぞれに前頭5枚目を当てたことは審判部の暴挙であり、場所が終わってもなお許すことが出来ずにおります。

私がニュースサイトから拾い読みをする限り、その理由を意訳すると「琴奨菊の状態が悪過ぎて相撲内容を期待できないから」とのことですが、納得のできることではありません。

たしかに今場所の琴奨菊は終盤の取組では大関の格を失ってました。しかし、出場してくる以上は大関の相撲を期待すべきなのです。

ましてや琴奨菊はご当地力士。あれだけ黒星を重ねても、九州のお客さんは声を枯らして応援しているというのに、これより三役から外す、しかも代役が前頭5枚目という仕打ちをする。こんなことやってるから九州場所の入りが悪いのではないですか?

もし審判部が第三者の目で大関の相撲が取れないと判断するのであれば、先場所の照ノ富士もそうでしたが、休場勧告をすればいいのです。

当てられた宝富士と松鳳山もたまったもんじゃないでしょう。前頭5枚目とは、上から数えてのランキングで20位と21位ですから、同じ部屋の力士を除いたって役力士と当たらない番付のはず。

宝富士は左ヒジの不調、松鳳山は立合指導を受けて苦慮しつつも下位力士を相手にコツコツと白星を積み重ねてやっと勝ち越しを得て、さーもう1つ星を積み増そうかと思ってたら千秋楽に大関戦…。同情するほかないです。

稀勢の里だって無用な嫌疑がかけられかねません。
対戦成績と合口、そして地力を考えれば、琴奨菊より宝富士の方が安心して相撲を取れる相手です。フツーに相撲を取ればフツーに勝てます。

稀勢の里は千秋楽で勝てば単独の優勝次点ですが、負けたら4敗勢に飲まれてしまい、綱取りの足場固めにならなくなります。
万が一にも負ける可能性がある琴奨菊よりも、確実に勝てる宝富士を当てておけ。という親心が働いた~なんて陰謀説を誘いかねないじゃないですか。
審判部長は一門の総帥である二所ノ関なのですから、陰謀厨にネタを提供するようなマネは避けるべきです。

(まー、同タイプで馬力の勝る琴奨菊に二所ノ関の弟子である松鳳山を当てていることを考えるなら陰謀であるわけがないのですけどね。)

ともかく、大関が大関であるうちは、その地位に相応しい扱いをして頂きたい、ただそれだけであります。


Comments (2)

  1. shin2

    おそらく「相撲ファンみんな大好きw」友綱審判部副部長が割崩しをやる、と宣言してしまったために、引っ込みがつかなくなってしまったんじゃないですか。
    >>http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1742215.html

    松鳳山と宝富士が千秋楽に勝てば三賞が貰えるわけでもない。勝てば三役昇進の可能性はあったが、そのために大関対決を消滅させる必要はない。
    稀勢の里は、関脇隠岐の海との対戦が組まれず、十三日目栃ノ心と対戦して負けた。これも割崩しなのか。

    割崩しとは関係ないけど、中日の豪栄道vs隠岐の海戦は、少なくとも豪栄道の負けはないと思いますよねえ友綱審判長。

    Reply
    1. 甚之介 (Post author)

      shin2さん、コメントありがとうございます。
       
      そうですか、そんな宣言がありましたか。うーん、ちょっと理解に苦しみます。
      やはり、その番付であれば当然あたるべき相手というものがあるわけでして、ただでさえ明解なリーグ戦とは言い難いシステムであるところに恣意性が疑われかねない安易な割崩しをするというのは解せないのです。
       
      判定もそうですが、場内説明も・・・。

      Reply

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