【急務】剣道における地震避難対策

東日本大震災を経験しながら、なぜ疑問に思わなかったのだろう?

11/22(火)の早朝、大きな揺れを感じました。
福島県沖を震源とする規模の大きな地震で、幸いにも陸上の被害はほぼ無かったものの最大で2m弱の津波が発生、鉄道などへの影響もありました。

私の生活や業務には特段の支障は生じず、火曜日は八千代剣道教室の稽古日ですから夜はいつもどおりに稽古を始めたわけですよ。

で、稽古前の説話の中で件の地震についての話をしました。

君ら(小学生)にもできる地震対策として、翌日に着る服を枕元に置いて寝ることくらいはしなさいよ。真冬にパジャマのまま避難したら寒さに震えちゃうでしょ。何事も準備があってこそ。剣道でも同じことが言える。打つための準備は構えでしょ。だから構えが大事……

てなことを話す中で気付いてしまったのですけど、剣道の環境は地震や火災が起きた時の避難方法が確立されてませんよね。

最大の弱点にして根本的な問題は、剣道は裸足であるということ。

地震にしても火災にしても、室内から屋外へ避難しなければなりません。

室内用であっても靴を履いているスポーツ競技は何ら問題なく、一番近い非常口からそのまま屋外に出れば良いのですが、私ら剣道人は言うまでもなく裸足です。

屋外は地震や火災で割れた窓ガラスが散乱しているかもしれませんし、夜間の場合は何を踏むか分かりません。裸足で歩くことはたいへん危険。避難不可能と言っても過言ではないでしょう。

では、稽古の際に自宅から履いてきた履物はどこにあるのでしょうか?

八千代剣道教室の場合は総合体育館の玄関にあります。
稽古場所であるサブフロアや剣道場から離れた場所にありますから、地震による室内損傷や火災の火元によっては履物を取りに行けないかもしれません。一番近い非常口から速やかに非難すべきという防災の基本からも外れます。

学校の体育館などの独立した建物を稽古場所としている場合でも、玄関として使用している入口に履物を揃えて置いているでしょうから、そこへの避難が集中することになって避難が遅れてしまう可能性が大です。

剣道大会の環境は最悪なケースとなりえます。
会場に履いてきた履物は、おそらくは靴袋を渡されて選手控えや観客席等に道具袋と一緒に置いているでしょう。地震や火災の際に試合場から観客席等に履物を取りに戻ることはまず不可能と言うべきです。

とにかく裸足という状態をなんとかしないことには避難もままならないのですが、指導者講習会等ではAEDによる救命措置や熱中症の予防措置を教わることはあっても、この「裸足で避難」という大問題についての対策は聞いたことがありません。

私も含まれる剣道界全体として、危機意識が足りないように思えます。子供を預かる身としても反省しなければなりませんが、とりあえずはシューズケースを持参して靴を手近なところに置くことが暫定措置になるでしょうか?
考える必要があるように思えます。


さて、裸足避難問題の最良の解決策を探りたく、皆様のご意見も頂戴したいのですが、方策の一例としましては、地下足袋を携帯するというものがあります。

剣道とは関係なく、足袋のメーカーさんの推奨をNHKが紹介していたのを思い出したもの。

確かに足袋ならば平面状に畳んで携帯できます。
竹刀袋にポケットでも作って試合場や稽古場で常に携帯するようにすれば、災害時にそれを履いて避難することは容易であるように思えます。

ただし、小中学生の場合は足の大きさが年々変わりますから、購入したは良いけど使わずに履けなくなった、では購入に抵抗があるでしょう。

幸い、剣道は和装ですので、例えば足袋に雪駄であるなら自宅から稽古場への往来に普段履きできるかもしれません。「ゴム底部分を着脱できる地下足袋」みたいなものが製品開発されると良いのかも。

もう少し考えを整理しまして、全日本剣道連盟にメールしてみようかと思ってます。本来こういうことはトップダウンで為すべき施策ですからね。




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