九州場所序盤感想

恒例(?)、九州場所序盤戦の振り返りと今後の展望を述べてみたいと思います。


まず真っ先に蒼国来を挙げたい。

今年の春場所には自身最高位の西前頭4枚目に上げ、初となる結びの一番を経験したものの、その春場所から4場所連続で負け越し、今場所は東前頭14枚目で迎えた蒼国来。なんと自身初となる5戦全勝の序盤であります。
もちろん全て前頭11枚目以下の力士との対戦ですから割り引かねばなりませんが、相撲内容が実に良ろしく、中入り後の土俵熱に大きな貢献をしている点で特筆すべきかと。

初日の逸ノ城戦と二日目の英乃海戦では右四つの相撲で左上手の芸が冴えまくりました。
減量したとはいえ巨漢の逸ノ城を小兵の部類に入る蒼国来が上手を引きつけて寄り切る相撲のなんと爽快なことか。
かと思えば三日目は右上手を取ってすぐの出し投げで北勝富士を転がし、四日目は千代大龍を両差しから寄り倒し。
さて、今日はどんな相撲を見せてくれるのだろう?と楽しみで仕方ありません。

ただ、蒼国来は終盤になって息切れする感が毎場所感じられますので、対戦相手の番付も上がることですし、中盤に入ってからどこまで星を伸ばすかが注目点になりますね。


上位陣の話に行く前に、減量効果と増量効果に注目しているのでその話を先に。

先にも少し触れましたが、逸ノ城が20kg以上も減量し、212kgあった体重が190kgを割り込んでの今場所とのこと。
「しぼった」というより「しぼんだ」という感じで圧力を感じません。先場所を全休しての西前頭13枚目は家賃安であるはずなのに、2勝3敗の黒星先行は元より、減量効果として期待されるスピードupが見受けられないあたり、減量した体を前提とする相撲の稽古はまだまだ不十分なのかもしれませんね。

逆に増量したのは大関の声も掛かるようになった高安。
日本相撲協会公式サイトの力士プロフィールでは体重177kgとしているけれど、今場所は自己最高の183kg。いや、体重よりも目立つ出っ腹が気になって仕方ありません。場所前は「太りすぎた。動けない。」との反省の弁も耳に届き、心配してました。
が、わりと良い感じのように思えます。2敗といってもそのうちの1敗は豪栄道が良すぎるだけの話で、勝った相撲の内容はともかく、あれだけ体型に現れる太り方をした割には体軸がぶれていない点を高評価してます。

好対照な2人の力士、中盤戦も注目したいと思ってます。
あ、高安の大関はもう少し先かと。まだ相撲が自在に過ぎるので。


上位陣ではまず鶴竜。今場所の鶴竜はかなり良いです。
とくに二日目の栃煌山戦は秀逸。栃煌山の攻めを利用していつの間にかの攻守逆転。掌の上に置いているかの様でした。
雰囲気を感じさせる鶴竜はホント久し振りのことで、今場所の本命に挙げても良いとさえ思えます。(褒めすぎか A^^;)


今場所大注目の豪栄道は先場所から継続しての20連勝は立派。
二日目、高安にヒザを着かせた相撲に代表されるように、当たりの強さが印象的です。初日の栃煌山戦、五日目の碧山戦では相手の引き技に泳ぐ場面もありましたが、前に出ているから落ちません。中盤も順調に星を伸ばしていくものと思われます。


全勝、かつ通算1,000勝の金字塔を立てたということで白鵬について述べますが、ハー、嫌なものを見ました。
三日目の魁聖戦。1,000勝目にふさわしい見事な相撲でした。綺麗に立って右四つがっぷり、上手切りの芸を見せ、魁聖の巻き替えを許さず、打つ手なく遮二無二出てくる魁聖を豪快に上手投げで叩きつけた横綱相撲。そりゃもう拍手喝采するしかないでしょ。
ところが翌日の四日目。今場所絶好調の玉鷲は気合充分に立合える機が一瞬成立しかけたところ、白鵬が呼吸をずらしての不成立。そして仕切り直しの立合は右拳が仕切り線を越え、左は着かずに張って右かち上げ。体を開いて突き落とし。
白鵬の表裏比興ぶりは今に始まったことではないけれども、これが前日にあれだけの相撲を見せてくれた横綱の取る相撲なのかと思うとやはり落胆を隠せません。白鵬は何を目指しているのでしょうね。


遠藤に敗れて序盤1敗を喫した稀勢の里ですが、まずまずの序盤ではないかと。先場所よりは良いと思います。
先に挙げた鶴竜、豪栄道、白鵬が3すくみになると考えれば、1差に悲観する必要はないでしょう。
ただ、まだ相撲にまとまりが欠けている気配があり、相撲の流れがプツプツ切れるのが気になります。中盤にそれが改善されるか否かで今場所の結果は大きく変わると診ています。


日馬富士、四日目の碧山戦で足をやってしまった感じがあったので心配しましたが、五日目の遠藤戦を見る限り大丈夫かと。とにかく私の相撲観戦熱はこの横綱の土俵入りが有るのと無いのとでは雲泥の差が出るので、優勝争いなんかどうでもいいから日馬富士の休場だけはご勘弁を願いたい。


それにしても九州場所はホント客が入りませんね。
二日目に東1大関・豪栄道と東関脇・高安を当てるような無理をしたにも関わらず、満員御礼が途切れてしまうとは。
でも、わりと内容のある相撲を観させてもらってるのでテレビ桟敷では楽しめてます。
大関2人が心配ではありますが、中盤戦も楽しませて頂きたいものであります。




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