剣道試合・審判員要領にありました

先日、茨城県内近隣市で開催された剣道大会に参加した際のこと。
中学生団体戦の決勝戦でしたか、試合中、盛んに声を飛ばす監督に対し、壇上から審判長が降りてきて注意を与え、それを控えさせたという場面がありました。

剣道の試合において監督が檄を飛ばす姿は見慣れた光景ではあります。
とくに少年剣道では、選手はルールも含めて試合での戦い方を覚えたばかりですから、監督のみならず応援する保護者や仲間からも様々な声援や指導が投げかけられます。

しかしながら昨今(まぁせいぜい数年前くらいから)は冒頭に挙げた例のように、監督席や選手控え、観客席や試合場周囲から指示や声援を飛ばすことを控えるように注意されるケースが増えてきているように思えます。大きいところでは玉龍旗などもそうでした。

私はここ最近、監督として試合中に檄や指示を飛ばすことは極力控えるようにし、試合を終えて戻ってきた選手への指導も団体戦を終えて試合場から退いた後にするようにしているのですが、これはちょいと他に思うところがあってそうしているのでして、前述したような空気を読んでのことではありませんし、ちょっと前までは盛んに声を飛ばしてました。

しかし、どうもそういった空気が強まっているのを感じているところに、冒頭に挙げた剣道大会の光景を目にし、その根拠はどこにあるのだろう?と思ったのです。

で、まずは手元にあった全日本剣道連盟の剣道試合審判規則・同細則(白い冊子)をパラパラし始めました。
……けれども、試合審判規則や細則には根拠らしき条文が見当たらないのですよ。
で、試合審判規則・同細則のページを読み終え、薄桃色のページ=剣道試合・運営要領へと突入して尚も読み進めますと……ありました。

まずは剣道試合者要領の[その他の要領]の8項。

8. 監督・試合者は選手席への時計の持ち込み、サインなどによる指示や試合者への声援をしてはならない。
試合者と審判員のルール|剣道を知る|全日本剣道連盟より引用)

そしてそれに対応するのは剣道審判員要領の[その他の要領]の4項。

4. 審判員は、試合者が試合終了後、選手席などで不適切な言動を行った場合もしくは行おうとした場合、厳正に指導する。
試合者と審判員のルール|剣道を知る|全日本剣道連盟より引用)

恥ずかしながら、私はこの一文の存在を知りませんでした。猛省しております。

開会式における審判長注意や大会要項では「試合は全日本剣道連盟の剣道試合・審判規則、同細則により行います」と謳うことが通例ですが、剣道試合・審判運営要領も剣道試合・審判規則(同細則)と同じ冊子に「付」として含まれ、事実としてそれに記された要領にほぼ従って試合が行われている以上、剣道試合・審判運営要領も遵守すべきルールと言うべきでありましょう。

で、あるならば、監督や選手が控え席から檄や指示を飛ばすことはやってはいけないことであり、それは審判員が注意しなければならないということですよね。

私の手元にある白冊子には、剣道試合・審判運営要領は平成11年4月1日改訂とありますので、少なくとも17年の歳月が経過しているわけですが、そこに明記されているにも関わらず、監督や選手が控え席から檄や指示を飛ばすことが半ば常態化しており、それを審判員が注意指導することがごく少ないということの不思議はともかくとしまして、それがルールとして明記されている以上は遵守しなければなりませんね。

しかしながら試合者および監督としては試合者要領を遵守して声を飛ばさないようにしますが、審判員として声を飛ばす監督や選手に厳正指導するというのは、まだまだ結構勇気が要る状況ではあります。A^^;




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