初場所中盤を経て賜杯の行方を占う
深夜場所だけを頼りに何とか初場所を追ってます。
せめて土日だけでもライブで観たいところなのですが、仕事が多忙すぎて自分の土俵である剣道の稽古さえままならぬ状況。困ったものです。
でも書きますよ。中盤を経て賜杯の行方を占います。
唯一の全勝である白鵬から行きますけれども、高評価した序盤とは異なりまして、なんとも不安定な中盤でありました。物議を醸した六日目の遠藤戦といい、物言いの付いた七日目の高安戦といい、自分から相撲を崩しているかのようにさえ思えます。
他の力士の星並びを見てしまうと言が弱くなってしまいますが、今場所の横綱大関陣は1人を除いて平均以上の相撲内容を示してますから、このまま無敗のまま1人旅を続けられるとは思いません。2番は落とすのでは?と見てます。
1敗で追う日馬富士ですが、常幸龍への金星配給は軽量ゆえの事故みたいなもので、前半に引き続き「らしさ」を持続していて、とくに八日目の魁聖戦で見せた強烈な喉輪押しは朝日が昇るが如き勢いのあった横綱昇進直前を思い起こすものがありました。
終盤での横綱・大関戦がとても楽しみです。
鶴竜は六日目の栃煌山戦で押せなくて引く悪癖を露呈して2敗目を喫したものの、それ以降は突いてよし組んでよしの相撲を維持できてます。
同じ2敗勢として稀勢の里もおります。九日目の琴奨菊戦でヒザが入る形で土俵に打ちつけたので心配されましたが、十日目の相撲を観た限りでは大丈夫そう。苦手としてきた碧山、逸ノ城、豪栄道を下して勝ち越した上で終盤戦に入るのは好材料と言えましょう。
賜杯の行方はこの4人に絞られた形。
2敗勢の2人が暴れてくれると、面白くなるかと思います。
琴奨菊はこの相撲しか無いという現状ゆえに、立合から勝敗を決するまで迷いが感じられず、それが良い方向に出ているのでしょうね。ただそれは相手にとって読みやすい相撲でもあり、まだ対戦していない4名の横綱大関陣に通じるとは言い切れません。あと1勝で角番脱出なわけですから、奮起してほしいものです。
豪栄道……。こんなもんじゃないのですけどね。どうしたもんでしょうか。
まだ対戦していない白鵬、鶴竜、琴奨菊、碧山のうち2人と平幕に勝たないと大関陥落という大ピンチ。でも、追い詰められた今こそが自分の相撲を取り戻す最後のチャンスとも言えるわけでして、その意味で本日の白鵬戦に注目したいものです。
さて、関脇以下ですけれども、熱戦の中で星のつぶし合いという様相を呈しており、下手すると二桁勝ち星不在もあり得る状況です。全体的に相撲内容がよろしいので別に構わないのですが、横綱に勝っている栃煌山と宝富士が黒星先行、常幸龍が休場となると、三賞該当者なしという珍事もありえます。
その前に言っておきたいのですが、従前から申しているとおり、技能賞は二桁勝利に拘らず授与して頂きたいと強く願っております。相撲内容よろしき今場所でありますから尚のこと。
序盤を湧かせた照ノ富士があまり星を積み増さずの5勝5敗というのは解せないものがあります。六日目、右四つがっぷりとなりながら、左上手をこれ以上ない絶好の浅い位置を取った魁聖に寄り切られたあたり、まだ剛力に相撲の理が追いついてないのかもしれません。
大砂嵐が相変わらずですね。場所を重ねる毎にサポーターが増えているあたり、相手を痛めつける相撲が自分に跳ね返っていることをそろそろ自覚しても良さそうなものですが、まったく改まりません。
松鳳山や妙義龍といった、本来は幕内上位リーグの住人であるべき力士が白星先行で終盤を迎えるのは嬉しいことです。いずれもまだ本調子ではありませんが、かつての強さを取り戻す終盤戦であってほしいと思います。
では、初場所もあと5日間。大いに楽しみましょう。