沈黙もまた答

書こうか、書くまいか、迷ったけれども書くことに。

白鵬の優勝一夜明け記者会見キャンセルに端を発した騒動についてだけれども、この件で最も醜態をさらしたのはマスコミ情報の受け取り手である私達ではないか?と思うのですよ。

その話をする前に、事実情報の整理しましょうね。

白鵬のオフィシャルブログによると、残念な知らせが白鵬に届いたのが夏場所13日目。

そう言われてみると、夏場所13日目=5/25(金)は急逝した前理事長・先代放駒親方の通夜があり、そこに三横綱のうち白鵬のみ参列していなかったのも、あー、そういうことだったのかとストンと納得。

そして勝てば優勝の千秋楽の朝、この記事が出ました。

これを受け、白鵬サイドより記者クラブ側に「もし優勝しても……については書かないでほしい」と通達。(情報源とするには弱いけどこちらの記事より引用)

この時点でほとんどの相撲番記者は察しがついたと思うのですけど、一部に空気を読まない記者もいたようで、優勝翌日の朝にこの記事が出ました。記事の文末に「これくらいならいいでしょ」とばかりにサラっと書いてしまってます。

このように時系列を追っていきますと、白鵬の優勝一夜明け会見キャンセルとその理由を述べないことにも合点がいきますし、多くの方が「マスゴミめ!」と憤る気持ちも分かります。

が、しかし、その一方で、多くの相撲番記者が白鵬との信義に基づいて騒がなかったのも事実です。騒いでいたのは日本相撲記者クラブの外のマスコミが主。

例えば、今回のことを白鵬自らが明かす前の5/28。
日刊スポーツの佐々木デスクはTwitterにこのような投稿を試みてます。

おそらくは真実を知っていて、さりとてそれを書けず、この騒動を苦々しい思いで見ていたであろう佐々木デスクの、私達に対する精一杯の情報提示だったのだと思います。

他、Twitterでフォローさせてもらっている相撲記者や相撲関係者はどなたもこの話題に触れようとはしませんでした。上でリンク提示した一部記者は除きますが、今回の件に関しましては、主だった番記者は節度ある姿勢を保ったものと捉えております。

むしろ問題は、冒頭に書いたとおり、マスコミ情報の受け取り手である私達ではないか?と思っております。

私とて、ブログでは静観の構えでおり、Twitterでは


などと書いてはいたものの、やはり野次馬根性で情報を漁っておりましたし、それを元に白鵬の会見キャンセル理由を色々と憶測してはおしゃべりに興じていたわけですよ。

今、思うと、その姿は実にさもしい醜態であります。

奇しくも自分自身が表向きの言葉として述べてますけれども、沈黙もまた答であることが世の中には少なからずあるのですよね。

情報過多の時代、ともすれば全知全能の神にでもなったつもりで全ての情報を追ってしまいがちになりますが、この件を機に考え直すべきなのかもしれません。

あ、白鵬の立合についての批判については引っ込めませんよ。
妻を守らんとする白鵬の姿勢は立派ですけれども、それとこれとは別の話。


Comments (2)

  1. too

    関節情報から答えを導き出すのはなかなか難しいものですね。
    まぁ本人も誤解されることは承知の上でしょう。
    (言い訳したと取られるよりは誤解された方が楽だと思いますよ)

    さて、全く関係ないですがコメントのやりとりが非表示ってのは面倒ですね。
    (記事を探して確認しないとやりとりが継続できないのも…)

    このBlogのポリシーなのかもしれませんが、設定で漏れてたなら修正を。
    (この指摘も↑の件 同様なのかも、と思いつつ書いてみる)

    Reply
    1. 甚之介 (Post author)

      間接情報から答を導き出すっていう技術がコンシューマ化されるのはいつになりますかね?
      それまでは自分のスキルに合った信頼できる情報元を確保することに尽きますね。

      コメントのやりとり非表示というのは、サイドへの「最近のコメント」的なもの?
      であれば、雑記帳2を新築した直後はコメントもほとんど無かったので機能を外してました。
      じゃー、そろそろ入れとこうかな。

      Reply

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