蹲踞の間合と試合開始手順の考察

木刀による剣道基本技稽古法を指導しつつ、ふと疑問に思いましたことを書いてみたいと思います。

木刀稽古法や日本剣道形では、お互いの刀の横手(剣先)を合わせて蹲踞します。

対しまして現代の竹刀剣道における試合では、試合開始時の立ち位置として開始線が設けられており、その位置で中段に構えて蹲踞しますので、お互いの剣先は触れ合わずに離れた状態になります。

開始線は、私が剣道を始めた昭和50年代頃に設けられたように記憶してますが、試合開始で蹲踞から立ち上がりつつ打ち込むことの防止が目的だったのではないかと思ってます。(正確なところは誰か調べてください A^^;)

しかしながら、木刀稽古法や日本剣道形における蹲踞の際に互いに横手を合わせることによって合気となる効果は捨てがたいものがありますから、竹刀剣道でも互いに剣先を合わせて蹲踞をした方が良い稽古に導かれるのではないかと思うのです。

私がそのような推論を述べるでもなく、開始線のない場所での試合や稽古の際には剣先を合わせて蹲踞することが慣例となっているわけですが、昭和の昔ほどには口うるさく言われず、曖昧になっているがゆえに、形稽古で横手合わせの効果と重要性に気付いたということなのでしょうね。


でも考えてみれば、そもそも戦闘開始位置が日本剣道形と現代剣道では異なるのですよね。

形は九歩の間で構えを整えてから戦闘開始となりますが、現代剣道は蹲踞した位置から蹲踞姿勢のまま試合開始を迎えます。
この違いはどういうことなのでしょうね?

戦場での実戦を考えますと、お互いを斬り倒すべき敵と認識する間合が現代剣道の開始線間距離=2.8mなどという至近距離であろうはずがありません。

日本剣道形の場合、九歩の間(8mくらい?)で戦闘準備たる身構えと気構えを充分に整えた上で、いかにして相手との間合を詰めるべきか?という戦闘技術上の重要な点をしっかりと含めてますので、こと戦闘開始方法に関しては現代剣道よりも日本剣道形の方が理に適っているように思えます。


それを前提に考えますと、竹刀剣道の試合開始手順は以下のように改善することが可能ではないでしょうか。

1)試合場中心で剣先を合わせて蹲踞
2)合気で立ち、気構えを維持したまま互いに開始線まで後退
3)主審の「はじめ!」で試合開始

補足かつ蛇足になりますが、上段の剣士は上記2の動作の中で上段に移行すべきかと。
構えを整えてから戦闘開始する日本剣道形に倣ってのことですが、中段の剣士が試合開始前から身構えできているのに対し、上段の剣士は試合開始してから身構えを整えねばならないというのは一方的に不利であり、競技上の公平性を損ねてます。

蛇足を閉じまして、上記で述べた試合開始手順ですが、竹刀という武器を持っていることと、主審の号令で試合開始となること以外は、ほぼ大相撲のそれです。

大相撲や他の古武道・古武術など蹲踞という所作が残っている武道の中で、蹲踞の姿勢からいきなり戦闘(試合)開始となるのは少数派なのでは?ひょっとしたら、剣道だけじゃないのか?などと思ってしまったので、その調査は後日の宿題としておきます。


Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です