守破離の概念図を作ってみた

剣道を長いこと歩んでますと「守破離」という言葉を度々聞くことがあります。
一般的には修行段階の遷移を示す言葉と解されてまして……

守……師匠からの教示を固く守って修錬する段階
破……師匠からの教示を元に応用を働かせる段階
離……師匠から独り立ちし、独自の境地を開く段階

といった形の理解が一般的かと思います。

この考え方は段位制度にも反映されている様子で、以下のように付与基準が定められていますから……

初段 剣道の基本を修習し、技倆良なる者
二段 剣道の基本を修得し、技倆良好なる者
三段 剣道の基本を修錬し、技倆優なる者

四段 剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者
五段 剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者

六段 剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
七段 剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
八段 剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者

初~三段が守の段階、四~五段が破の段階、六段以上が離の段階といった理解もできるように思えます。

が、しかし、手拭などの揮毫にも用いられる守破離ですし、私も昔から守破離という言葉に不思議な魅力を感じてきました。

段位の字面そのものに魅力を感じないのと同様に、守破離という言葉が単に修行段階の遷移を示す言葉であれば、揮毫に用いられたり、魅力を感じたりはしないはずです。


この誰に聞くでもない淡い疑問に答えを出してくれたのが、何年か前の講習会で講師を務められた中里誠先生(前・茨剣連会長)のお話にあった「螺旋状に永続する守破離」というお話。

中里先生が示された守破離の概念を私なりの解釈で噛み砕きますと、品質管理に用いられるPDCAサイクルに似たものと言えます。

PDCAサイクルは、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Act(改善)を
P⇒D⇒C⇒A⇒P⇒D⇒C⇒A⇒P⇒D⇒C⇒A⇒P⇒…
といった具合に、螺旋を描くようにサイクルをスパイラルアップさせることにより、永続的に品質を改善していく手法です。

PDCA概念図

PDCA概念図

中里先生が示された守破離の概念も、守破離の離を次の守破離につなげて
守⇒破⇒離⇒守⇒破⇒離⇒守⇒破⇒離⇒守⇒…
といった具合に、螺旋を描くように守破離をスパイラルアップさせることにより、永続的に剣道を向上させていくというもの…と私は理解しました(弱気w)

私の理解を概念図にしてみますと、以下のようになります。
※クリックしてご覧ください。GIF動画ですので、環境によっては見られないかも(汗)

守破離概念図

守破離概念図

つまるところ、守破離という言葉の魅力は永続性にあるのでしょうね。
私も守破離を重ねて自らの剣道をスパイラルアップさせていきたいと思います。




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