営利と非営利の境界は?

とある高校のダンス同好会の有料発表会に、同校の野球部員が出演したことを「部員の商業的利用にあたる」として日本高野連が問題視し、ダンス同好会の顧問を兼ねる野球部長が謹慎処分とされる見通しとのこと。

高野連のアタマの固さというか、人情のカケラも感じられない判断に呆れておりますが、実はこの判断、剣道大会主管責任者としては他人事じゃないのですよ。

ニュースの詳細はリンク先の記事で確認して頂くとしますが、件のダンス同好会の有料発表会が商業的、すなわち営利目的かといえば、そんなわけがないのです。

500円の入場料で1,200人の観客が集まったそうですから、単純計算で60万円の収入があるわけですが、会場は高知県立県民文化ホールという立派な施設だそうですから、施設および設備利用料金の合計とペイできれば御の字。多少の余剰金が発生したところで71名ものダンス同好会の活動費への補助としては微々たるものでしょう。

これを営利目的と判断するのであれば、春と夏の甲子園大会で入場料を徴収することも営利目的と判断し、今年の大会から無料開放しなければならないわけですが、それはしないのでしょう?
日本高野連のダブルスタンダードここに極まれり、と言わねばなりません。


しかし、営利と非営利の境界は、実のところとても曖昧です。

件のダンス発表会も、500円の入場料×集客数とホール利用料を比較すればおよそ非営利と判断するのが一般的な認識というものでしょうが、それは主催が高校のダンス同好会だからであって、これがAKB系のアイドルグループの握手会だったならば入場無料でも営利目的とされるでしょう。日本高野連のように入場料の有無で判定できるものではないのです。

最も確実な判定方法は、主催者が非営利団体であるか否か。
件のダンス発表会は高知商ダンス同好会が主催であり、ダンス同好会が学校の認可の下に活動している以上は、高知商という市立高校=非営利団体の下で活動するダンス同好会が営利目的であるわけがなく、有料イベントであることをもって商業的と断じた日本高野連の不明は批判されて当然です。

さて、問題は主催者が非営利団体であるか否かが曖昧な場合。

開催通知を郵送して間もない八千代町近隣剣道大会は八千代町体育協会の主催であり、主管は私が代表を務める八千代町剣道連盟なのですが、町体協も町剣連も法人格を持たない任意団体なので、活動内容を見て頂ければ非営利団体であることは明らかであるものの、曖昧さが残ります。
ゆえに、剣道大会等のイベントで入場料や参加料を徴収した際には、日本高野連のような疑いの眼差しを向ける方も現れかねず、それが非営利目的であることの証明をせねばならず、それがいささかメンドクサイのですよ。

実際、体育館等の施設利用手続きの際に入場料の有無が問われ、その判定によって施設利用料が変動したりするわけです。参加料の振込先として銀行口座を開設するにしても、任意団体名義での開設は難しく、任意団体名を含む個人名義の口座で開設することが多いのですが、そこに参加料を集めることが、口座開設者である個人への収入と見なされて税法上の問題へと発展する可能性も否めません。

それらメンドクサイ諸手続の数々を踏むよりは、参加してくださる剣道団体様からの志と主管者である私どもの持ち出しによって経費を賄う方が楽なので、八千代町近隣剣道大会は参加料を頂かない形での開催を継続しております。

ただ、近年は町剣連会員の高齢化と剣道教室の少子化に伴い、大会開催のための負担が年々厳しいものになりつつありますので、近い将来、参加費を頂く形に改める可能性は少なからずあります。

その際に、頂く参加費の意味合いとその使途が非営利目的であることを明確にするためには、主催の町体育協会にNPO法人格を取得して頂き、参加費の振込先を含め、その運営の下での剣道大会にすれば話が早いのですが、今のところその動きは無いですね。

とりあえず、町剣道連盟または剣道教室としてNPO法人格の取得を検討するくらいの規模にまで発展できるように、頑張ることにいたします。A^^;




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